45/彷徨い続ける悪夢の中 ページ46
＿小森ユイside＿
バタンと扉をきちんと閉じて、鍵を閉める。そして、窓を閉じてカーテンを閉める。この行動が無駄だと言う事も、自覚してきた。それでも続けてしまうのは人間の性だろうか。そして慣れた手付きでササッと制服から私服に着替えて、バサッとベッドに俯せになる。そして目を閉じて、今日の出来事を思い出す。
「……逃げられる道はもう、無いのかな」
目を開けると、もう見慣れてきてしまった豪華なシャンデリアが目に入る。そっと窓の外に目を見やると、綺麗な三日月とうっすらと浮かんだ雲。
＿＿どうしてこんな状況に陥ってしまったんだっけ。
＿＿私は、どうしてここにいるんだろう？
そんなことを考えても、もうどうにもならないんだと諦めてきている自分がいる。それでも未練がましく家に帰りたがっている自分がいる。
「……キズ、増えたよね……」
目線を下げて、手足や肩や首元を鏡越しに見る。噛み痕、残された傷。傷がついていない場所もあるけれど、このままのペースで行くとすべての場所が埋め尽くされてしまうんじゃないかと思ってしまう。
「……お父さんに会いたい」
そんな願いを口にしてみる。口にしたら叶うような気がして——なんて、言わない。言えない。カーテンを開けて窓を開ける。空には綺麗な三日月が浮かんでいた。綺麗な金色。その色で思い出すのは＿＿
「レイさんも『吸血鬼」なんだっけ……、」
ふと思い出して、呟いてみた。
金色。レイさんの髪の毛の色——。
そういえば、同じ学年だったような……、同じ学年なのに、年の差に違いがあるように感じるのは気のせいだろうか。
「そう言えば、この家の人って全員『血』吸うんだっけ。だったらレイさんも——血を吸うのかな……」
「吸うと思う？」
「この家の人が全員吸血鬼なら、そうだと思うけど……って、えぇ！？ な、なんで部屋に……ど、どこから入ってきたんですか！？ それと、いつから聞いてたんですか……！？」
後ろにいつの間にかレイさんが立っていた。
ドアが開く音なんて聞こえなかったのに……どうして？
ニコニコと笑いながら、タンタンと可憐な音を部屋に響かせて近付いてくる。
＿＿
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角砂糖(プロフ) - 恵香さん» 本当ですかーっ！？ありがとうございますーっ！！更新頑張りますううううっ！！！コメントありがとうございますーっ！！！何よりの励みになります！！！ (2016年5月29日 18時) (
レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - この作品とっても好きなので応援しています！！頑張ってください！！！ヾ(ﾟ▽ﾟ*)>ﾌﾚｰ!!ﾌﾚｰ!!<(*ﾟ▽ﾟ)ﾂ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - 1がいいです！ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大好き(プロフ) - さとぅさん» これからも応援してます！ (2016年5月28日 7時) (レス) id: d1b3892697 (このIDを非表示/違反報告)
さとぅ(プロフ) - みかん大好きさん» コメントありがとうございます！ (2016年5月27日 22時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
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