42/怪しげな薬品の香りと ページ43
＿＿
《ガラララ》と扉を開ける。流されて此処まで来てしまった。もう後には引けない……と言うほど畏まった物ではないけれど、保健室と言うのは緊張するものなのだ。中に入ると、ふんわりと薬品の香りがした。消毒液の独特な匂い。鼻がツンとする。気分が悪いのも収まってきたかも。
＿＿そして、誰かの気配。
「あれ〜？ レイちゃん、どうしたの？ 保健室に来るとか珍しいね、んふ」
後ろから声が聞こえた。気配がしなかった＿＿と言うのは嘘で。勿論誰かは分かっている。こんなねっとりとした喋り方をするのなんて、私の知り合いに一人しかいない。
「ライト君こそ、なんでここに……って、あぁ。」
ライト君の乱れた服装と、口元の血を見て私は【ソレ】を察する。
あぁ、きっと【××××】したんだろうな。
血の匂い、血、赤い、綺麗、血、匂い、美味しそう。
「うん、お察しの通り〜♪」
「また？ ー…そろそろ本命でも決めたら？」
「……んふ、ソレが出来ないの。一番よく知ってるくせに」
一瞬間が開いたけれど、「んふ」とにっこり笑う。その言葉にどんな意味が込められているかも、私は知っている。でも、知らないフリをする。どちらも、お互い様だから。
領域を、越えられないから
「で、レイちゃんはこんなトコロに何の用？」
「んーっとね、ちょっと気分が悪かっただけなんだけど、心配そうな顔で皆が見てくるから居たたまれなくなって出てきただけ、でも今は少し治まったかも」
もう大丈夫、とピースを決めて見せる。そして笑う。結構治まってきたかもしれない。あの吐き気はなんだったのだろう？ ……心当たりと言えば、無いワケじゃないけど。
「へぇ、なになに？ ……何かあった？」
「別に何もなかったよ？」
首を傾げて”？”と笑う。鋭く光ったライト君の目は、私を真っ直ぐ見つめている。この時のライト君は、鋭い。裏の裏まで読み取りに来る。いつものふざけた様子と打って変わった雰囲気にも、もう慣れた。
「嘘でしょ、目が泳いでるもん」
「……そう言うトコロは昔と変わらないよね」
「……何か言った？」
「ううん、なんでもないよ」
そう言って、私はもう一度笑った。
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角砂糖(プロフ) - 恵香さん» 本当ですかーっ！？ありがとうございますーっ！！更新頑張りますううううっ！！！コメントありがとうございますーっ！！！何よりの励みになります！！！ (2016年5月29日 18時) (
レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - この作品とっても好きなので応援しています！！頑張ってください！！！ヾ(ﾟ▽ﾟ*)>ﾌﾚｰ!!ﾌﾚｰ!!<(*ﾟ▽ﾟ)ﾂ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - 1がいいです！ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大好き(プロフ) - さとぅさん» これからも応援してます！ (2016年5月28日 7時) (レス) id: d1b3892697 (このIDを非表示/違反報告)
さとぅ(プロフ) - みかん大好きさん» コメントありがとうございます！ (2016年5月27日 22時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
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