満月ノ記憶。【DIABOLIKLOVERS】

04/ドアの向こうの気配は ページ4

*



≪コンコン≫と自分の部屋のドアが叩かれる音を聞いて「どーぞ」と声を掛けた。


(ノックをするときは、そこまで怒ってもないし安全ってことでいいんだよねー。怒っている時なんか皆ノックなんてしないからなぁ……。となると――)


≪ガチャ≫と言う音と共に中に入ってくる。
黒髪の男、瞳の色は緋。美形な顔。
世の中で言うイケメンと呼ばれる分類に入ると思う。



少女の同居人のひとり、逆巻レイジ。



(なんだレイジか――、なんだろ、何か用事？ ……あぁ、夕飯かな)



「どうしたの？」

「夕飯です。レイも早く来てください」


レイジと呼ばれる男は少女の顔を見て、答えた。
少女の名前はどうやらレイというらしい。


「りょーかい、みんなもう来てる？」

「いいえ、でも急いでください」

「ん」


簡潔的な用件だけ述べると、レイジは他の所へ行ってしまった。


(少し急いでいるみたい。まぁいつものことだけど……。これから他の兄弟も呼び出しにかかるんだろうなぁ、レイジも大変……)


「手間かけない様に、急いでいきますか……」



レイは自分の部屋のドアをガチャリと開けて、おもむろに窓の外の月を見た。
そうして何秒間か見つめた後、しっかりとドアを閉める。



(月―――綺麗。)




*

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