14/運命の因果の行方は? ページ15
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「取り敢えず、入らせて貰ってもいい、……のかな?」
(勝手に開いたんじゃなくて、中の人が開けてくれたのかも。うん、そうだよ、お化けなんかじゃないはず……!)
少女は思い込みで乗り越えようと思ったのか、現実から目を逸らす。
そんなことをしても、何も変わらないのに。
”現実から目を逸らす”――まるで悪魔の幼かった少女の様に。
何かが変わるとしても―――後で”報い”は返ってくる。
(えぇえ―――でもなぁ。勝手に入るのは……)
「すみませーん、誰かいませんかー…‥?」
誰もいない家の中に、少女の声が高く響く。
不気味な雰囲気の中を声が、切裂いていく。
どうやら誰もいない様だった。
「も、もしかして今日来ること伝わってないのかなー…も」
そう呟いた瞬間、空から大粒の雨が降り注いできた。
まるで少女が一旦家に帰ろうとしたのを邪魔するように。
(これってもう帰れない――、入るしかないってこと? そんな……)
少女は入ることを決定的に決めなければならない様だった。
これも『必然』か、それとも『偶然』なのか―――
「えっと、お邪魔します……。あぁ、これって不法侵入になるかなぁ? ……でも、乗り掛かった舟は乗るしかないよね。ぅう……」
そう呟きながらも、少女は家の中に入る。物怖じしながら部屋の奥にそろそろと入っていく。
キョロキョロと辺りを見回しながら、誰もいない大きな家の雰囲気に怯える少女。
「すみませーんー……誰かいませんかー…」
そう問いかけながら部屋の中を進んでいく。
それにしても大きな家、高そうな柱が何本も、その奥に豪華なソファや椅子やらがあった。
その中に、少女は人が寝転んでいるのを見つけた。
紅い髪の毛、しかも多分イケメン。
普通ならここで怖気づくようなものなのだが、この少女はそんなところに着目はしていなかった。
少女の頭の中は《人がいた、これでなんとかなるかも》という希望しかない。
(あ―――、人)
やっと人を見つけた、これで何とかなるかもしれない。
少女はそんな淡い希望をもって、ソファに寝転んでいる人に話しかけようとする。
「あの、すみませー…」
そこで少女は妙な違和感に気付く。
”吐息が聞こえない――もしかして……”
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角砂糖(プロフ) - 恵香さん» 本当ですかーっ!?ありがとうございますーっ!!更新頑張りますううううっ!!!コメントありがとうございますーっ!!!何よりの励みになります!!! (2016年5月29日 18時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - この作品とっても好きなので応援しています!!頑張ってください!!!ヾ(゚▽゚*)>フレー!!フレー!!<(*゚▽゚)ツ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - 1がいいです! (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大好き(プロフ) - さとぅさん» これからも応援してます! (2016年5月28日 7時) (レス) id: d1b3892697 (このIDを非表示/違反報告)
さとぅ(プロフ) - みかん大好きさん» コメントありがとうございます! (2016年5月27日 22時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
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