満月ノ記憶。【DIABOLIKLOVERS】

11/純粋を装う少女の心情 ページ12

*



「で、スバル君はさ。何してたの？」


分かっている癖にわざわざ聞くレイ。
白薔薇――彼が持っているその薔薇をちらりと見ながら。


『純粋』を装って、相手の深い部分に切り込んでいく。
黒い――なんて腹黒い、白を装った《悪魔》。


(彼が――何を、気に病んでいるかなんてモノも分かってる。自分じゃ力になれないことも分かってる。だから――、だからこそ――助けたいって思うんだよ……)


「オレは――」

その場に沈黙が姿を現す。それでも気まずさは感じない。視線が絡む。


「……言えない様なコト、してたの？」


ニヤニヤとふざけたような顔を浮かべ、レイは問う。


「別にそんな訳じゃ――」

「言いたくないなら、話さなくたっていい。話してくれなくてもいい。でも――… ×××××××」


ポトリ、と雫が滴る音の様に――静かに、小さく、聴こえない様に呟く。
スバルに聞こえているのかは分からないけれど。
それでもこの呟きがレイの本音だったことは、変わらない。


そんなシリアスな雰囲気を誤魔化す様に、黒――白で塗りつぶす様に明るく言う。


「―――まぁ別にいいけどね、私だって特に理由もなしに来たわけだし」

「オレはそろそろ戻る。オマエ――気を付けろよ」

「うん、勿論だよ」


《分かってるよ》そう言うような表情を浮かべ、レイは月を仰ぎ見る。
空にはいつも通りの月が、雲に隠れていた。薄暗かったのはこのためか。


「だってもうすぐ―――」


レイは次にいう言葉を止めて、それからスバルの方をちらり、と見てから言った。


「満月だもんね」



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評価が14に増えてました〜(*‘ω‘ *)
ありがとうございます。
でも10点が9.9点に(´・ω・｀)
ちょっぴり悲しいですね＼( 'ω')／

後お気に入り登録が増えていましたΣ(･ω･ﾉ)ﾉ！




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