(９) ページ9
・
それからは激しい戦いになった
リーマスを止める為には彼を気絶させるしかない
だが狼に変身した彼は普段とはかけはなれた凶暴さでそれに抵抗してきた
簡単な魔法では太刀打ちできない………でも強力な魔法で攻撃してしまうと、リーマスを傷つけることになる
狼に変身している間は気絶する程度のダメージだろうが、変身が解けた瞬間最悪死に至る可能性があるのだ
強力な魔法を使わずに彼を無力化する事は容易な事ではない…………
僕はハリーを庇い、戦いながら必死に頭を動かしていた
『………っ』
しかしその時、ふと目の前が歪んだ
「先生！」
カクンッと折れた膝を着く
まずい…………頭がクラクラする……
怪我した肩を見ると、血がドクドクと流れ出ていて
左手は既に痺れて言うことを聞かなくなっていた
「ｱｫｵｵｵｵｵｳｯｯｯ！！！！」
………まずいっ
ハッと前を向くとリーマスが目の前に迫っていて、傍にいたハリーを抱き込み次に襲い来るだろう痛みに耐えようとした
が、
"ｱｫｵｵｵｵｵｳﾝ"
『………え？』
"ｱｫｵｵｵｵｵｳﾝｯ"
森の方から遠吠えらしき声が聞こえ、それを仲間だと勘違いしたリーマスが森の方へ走り去る
シリウスも吠えながらリーマスの後を追った
「先生、今のって……」
『………人間の声だった』
「え？」
遠くてよく聞こえなかったが………あれは間違いなく人間の声だった
だとしたらまずい、今のリーマスは危険だっ
『ハリー、君はシリウスを頼みます
僕はリーマスを……』
「ダメです！そんな怪我で………殺される！」
ハリーは僕の上着をぎゅっと握り、頑なに離してくれない
僕はその手を柔く握り、ハリーを諭す
『ハリー
今、リーマスは必死に自分と戦っているんです
僕はそれを助けたい………リーマスの力になりたいんです
わかってくれますね』
「先生………
でも、もし先生になにかあったら……僕」
その言葉に微笑んで頭に手を置く
『大丈夫、僕は死にません
ハリーを置いていったりしません』
ハリーは顔を歪ませ、そして目を潤ませながら抱きついてきた
「……絶対に死なないでっ」
それに強く頷き立ちあがる
少し目眩がしたが、このくらいなんて事ない
『行きましょう……！ハリー！』
「はい！！！」
僕とハリーはそれぞれ杖を握り、森の方へ駆け出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - mikittyさん» そう言って頂けて嬉しいです！！！私も皆さんからのコメントで元気をもらってます！！！ (2022年10月25日 16時) (
レス) @page47 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新多めで嬉しいです、ありがとうございます！！ (2022年10月25日 16時) (レス) @page46 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - mikittyさん» リクエストありがとうございます！ひゃぁぁぁ！それはキュンキュンしそうですね！！承知致しました！作成まで少々お待ちくださいませ！！！ (2022年10月19日 0時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
見知らぬ子猫(プロフ) - わさびさん» ありがとうございます！楽しみにして待ってます！ (2022年10月19日 0時) (レス) id: 1647542551 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 見知らぬ子猫さん» リクエストありがとうございます！承知致しました！めっちゃくちゃにあんまあまに甘やかさせて頂きます！！笑 作成まで少々お待ちくださいませ！ (2022年10月19日 0時) (レス) @page33 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2022年9月30日 22時
