魔法の世界で君と共に。(３)

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『どういう……事だと思う？』



「………わからないよ

でもあの地図に間違いは無い……」



ピーターはシリウスに殺されたはず


ホグワーツにいるなんてありえない話だ



でも、それならなぜハリーはその名前を知っている？



『………』



その時、僕の中で何かが嵌る音がした



ハリーの殺害を目的としているシリウス



１２年前、シリウスに殺されたはずのピーター



ジェームズとリリーの秘密の守人だったシリウス



………世間が信じているこの真実


それら全てが間違いだったとしたら？



シリウスがハリーの殺害を目的としていない事は今日僕の中で確証に変わった



そしてピーター………忍びの地図に反映されるのは生きている人間のみ



ハリーが見間違えた訳でも無さそうだ



となると………



『ピーターはシリウスに殺されてはいなかった……？』



「………え？」




僕の呟きに反応したリーマスは不思議そうにこちらを見る



『もし……もしもだよ、リーマス


ピーターがシリウスに殺されずに今も生きているとしたら』




「………でもそんな、ありえないよ


だってAが見つけたピーターの指はどうなるんだ？


ピーターはシリウスに殺された時、指しか残らなかったんだよ？


彼の生存を表すものなんて他にひとつも見つからなかったじゃないか」



『…………』



リーマスにそう言われて何も言えなくなるが、僕の中では最悪の真実が仮説として成り立とうとしていた



僕達は………もしかすると最初から間違えていたのかもしれない




『………１２年前、ジェームズとリリーをヴォルデモートに売ったのは


シリウスじゃ無かったのかもしれない』




僕の言葉にリーマスは目を見開いた




でも、そう考えると全ての辻褄が合うのだ




ジェームズと親友だったシリウスが彼らを奴に売った謎も



シリウスに殺されたはずのピーターの名が地図に写し出された謎も



１２年経った今、シリウスがアズカバンを脱獄してホグワーツに侵入してきた理由も




『………ピーターを探すんだ


本当の真実はそこにある』




１２年前に止まったままだった時計の針が



ぎこちなく、ゆっくりと動き始める音が聞こえた

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