魔法の世界で君と共に。(３)

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シリウスと別れて植え替え途中だった薬草を持ち温室へ向かう




『………』




土をしっかりと手で固めながらさっきのことを思い出す




やっぱり僕には、シリウスが殺人鬼だとは思えない




本当の事を聞き出したかったけど、その為には人間の姿に戻らなければならない




そうなるとディメンターに見つかる可能性が高くなってしまう………それは避けないと





『………時を待つしかない、か』





シリウスを見て分かった。彼の目的はハリーではない



別の何かだ




それでもやっぱりハリーの事が気になって、彼の周りをうろちょろしていたと見える………




まったくあの犬は………少しは我慢ができないのだろうか




会いたいのはわかるけど……それで最愛のハリーに警戒されてどうする




でも………そうだとすると




『シリウスの本当の目的って………』





考えても仕方ないか、と作業を終えて帰路に着く




もうとっくに日は暮れてしまっていた




『げ、ノミ………


あの犬、やっぱり飼ってたのか』




上着からぴょんぴょんと飛び跳ねるノミを見つけてランドリールームに寄る




上着を洗濯に出した為、少し薄着になった僕は肌寒さを感じて急ぎ足で自室へと戻った





部屋に戻って暖炉の火をつけようとした………が




『あ………杖、忘れてきちゃった』




あの時落としてそのままにしてしまったんだっけ……




『仕方ない……取りに行くか



って、あれ？』




部屋を出ようとしたその時、机の上に杖が置いてあるのに気がついた





"助かった、この礼はいつか必ず返す



風邪ひくなよ"





と書かれたメモと一緒に………




僕がランドリールームに寄っている間にここに来たのだろうか………




『まったく……誰かに見られたらどうするんだ』




クス、と笑ってメモを燃やす




下手な痕跡は残さない方が良い





『………そうだ、セブルスの所に行かないと』





ここの所話せてなかったな、と友人の元へと歩き出した

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