(４) ページ9
・
夜になり、生徒達が寝静まった頃
僕はリーマスの部屋を密かに訪ねた
「……！A、どうしたんだい？」
『まだ僕からのお祝い渡してなかったから』
ふふっと笑うと、パァっと顔を輝かせて中に入れてくれる
ソワソワしているのを隠そうともしない彼に笑いを堪えながら、用意されたソファーへと腰掛けた
『どうだった？子供達からのサプライズ』
「最高だったよ……！
セブルスからは少し小言を言われたけどね」
そう言って片眉をあげるリーマスにクスッと笑う
『カップケーキはもう食べた？』
「あぁ！授業の前に生徒達から「早く食べて」とせがまれてね
大事に食べようと思ったんだけど、あんまり皆が見てくるものだから3口で食べ終わってしまったよ……」
『わぁ、見たかった』
僕らは顔を見合わせて笑いあった
「はははっ
………さて、もうそろそろ待てそうにないんだが
贈り物を頂戴しても宜しいですかな？」
『んふふふ、勿論ですとも！』
僕の返答に満足気に笑ったリーマスが、いそいそと隣に腰掛ける
僕も姿勢を正して彼の目を見つめた
………なんだか、照れくさいな
『ｺﾎﾝｯ
えー……では、ささやかなものではありますが
お受け取りください』
ははーっと仰々しく小箱を渡す僕に、リーマスは面白そうに笑いながら
それでもこれまた丁寧に受け取ってくれた
「……！これ！」
箱を開けたリーマスのリアクションが気持ちよくて、僕も思わずにやけ顔になってしまう
贈ったのは、彼によく似合う
木目調が美しい懐中時計
『この間、生徒達の引率でホグズミードに行った時に見つけたんだ
リーマスに似合うと思って……どうかな？』
「………最高だよ」
彼は惚れ惚れと時計を見つめ、そうだ！と声を上げた
「君の時計を貸してくれる？」
『え？……良いけど』
懐からお気に入りの時計を取り出して彼に渡す
すると、リーマスは立ち上がって奥の作業机の方へ行き何かをゴソゴソとやり始めた
……？何をしてるんだろう
『リーマス？どうしたの？』
気になってしまった僕は、彼を追うように立ち上がりその手元を覗き込む
そしてあっと声を上げて目を見開いた
「……どうかな」
懐中時計についている、服と繋げる細いチェーン
元々僕の時計に付いていたのは銀色のチェーンで、リーマスのは少しくすんだ金色だった
それが逆に付け替えられている
『とても良いアイディアだと思うけど
本体と色が違うから……少しアベコベにならない？』
と僕が言うと、リーマスはそれでいいんだと言う
「違和感があって目を引く方が、君を思い出すきっかけが増えるだろう？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - やよいさん» やよいさんお久しぶりです！更新サボってすみませんでした💦新生活……！慣れるまで大変だとは思いますが、無理をなさらず楽しんでくださいね！これからもよろしくお願いします！ (5月6日 18時) (
レス) id: 2d90b0da8f (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぴよさん» コメントありがとうございます！！お久しぶりです〜！！！本当に亀更新で申し訳ないです💦見返して頂けて嬉しいです……！これからもよろしくお願いします！！！ (5月6日 18時) (レス) id: 2d90b0da8f (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 更新ありがとう御座います！！！定期的に見返して新生活の糧にしてます！これからも応援してます！！！ (5月4日 12時) (レス) @page13 id: 09594f4eed (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！いつ見返しても最高です✨これからも本編、番外編のどちらも沢山読んでいきます！！！応援しています！ (5月4日 11時) (レス) @page13 id: 47e309a110 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - やよいさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます！！！最初低評価の多さに筆を折る覚悟をしていましたが……皆さんの暖かいコメントのおかげで何とか生きてます！！！💪🏻 これからもよろしくお願いします！ (3月10日 21時) (レス) @page9 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2024年3月5日 17時
