魔法の世界で君と紅茶を。(４)

愛して愛されて ページ6

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『……？あれ』


授業の時間になり、マグル学の教室の扉を開けると


いつもは席に着席して僕を待っている生徒たちの姿が無かった


『おかしいな……時間を間違えたかな？』


独りごち、週ごとに配られる担当学の時間割を見るが書いてある時間は手元にある時計の示す数字と同じだった

首を捻りながらもとりあえず中に入り、教壇の上に教科書や資料を置く


『せっかくゴム製のアヒルを持ってきたのに

……虹色の』


絶対ウケると思ったのになぁと思いながらアヒルを摘む


ﾌﾟﾋﾟｯと何とも言えない音を出したそれを箱にしまって腕を組んだ


『確か今日はレイブンクローとグリフィンドールの合同授業だったはず

……その2寮とも誰も来てないなんて』


はてさてこれはどうしたことか？とうんうん唸りながら扉の方へ歩き


とりあえず両方の寮に行ってみるか、と取っ手に手を伸ばす


『……！』


ふいに身知った魔力を感じてバッと横に避けた


「A！」


と、ほんの僅かな差で扉が勢いよく開き


避けてて良かった……と顔を引き攣らせながら胸を撫で下ろした


『そんなに慌てて

一体どうしたっていうんだい？リーマス』


息を切らして飛び込んできたのはリーマス


彼は額に汗を浮かべ、動揺した顔で僕を見ると焦ったように近づいてきた


「もう授業の時間なのに、生徒達がどこにもいないんだ！

時間を間違えたかと思ったんだけどそうじゃないし……一体どこにっ……てあれ？A、授業は？」


『それが……』


リーマスの説明を聞いていると、なんとまぁ不思議なもので僕と同じ状況だと言うじゃないか


僕の状況も説明すると、リーマスは目を見開いて額の汗を拭く


「Aの方にも生徒が来ていないなんて……

一体皆どこに行ったんだろう」


『今朝は普通に皆大広間で食事を摂っていましたけどね……』


「皆無事なら良いんだけど……1人も姿が見えないなんて」


ふぅむ、と二人して頭を悩ませる


そして暫く考えた後、僕はある事を思い出して声を上げる


「どうしたんだい？」


『こういう時の為に僕が居るんでした』


「え？」


コキコキと手首を鳴らして目元に手を当てる


リーマスは僕が何をしようとしているのかを察したように、期待を込めた瞳でこちらを見た


その期待に応えるべく、全集中で全体の魔力を目元に集める


そして天眼を見開きこの城一体の気配を探ってみた


……こんなに広い範囲で使うのは久しぶりだな


と、その時


『……おや？』


「っ何か分かった？」


『リーマス……中庭に行ってみよう』


「中庭？」


『どうやら、在学生全員がそこに集まっているみたい』


「………え？」

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