魔法の世界で君と紅茶を。(４)

(４) ページ4

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『良いですか？自由というのは他人を害さない全ての事を成し得る事を指します

加えて、それらの行動には責任が伴います』


「「……」」


ポカーンとこちらを見ながらも何も言わない彼等に、思わず首を捻る


『……あぁ、少し難しくなりましたね？

えっと、つまり自分の責任の取れる範囲で

かつ人様に迷惑のかからない行動を取ることが本当の自由って……聞いてます？』



「「難しい話はよくわからない！」」



双子の勢いのいい言葉に思わずガクッと項垂れる


うーむ手強い……どうしたものか


「でもひとつだけわかった」

「先生は他の先生とは違うね」


「「地面に座る先生なんて初めてだ！」」


『………そ、そう？』


思いもしなかった評価に思わずこちらがタジタジになる


いかんいかん、と首を振りコホンと咳払いを零す


『それは良いとして、ともかくこれから魔法を使いたくなったら僕を呼びなさい』


「先生を？」

「どうして？」


『僕の目の届く範囲でなら……復習する時間を認めましょう』



「「本当に！？」」


勢いよく身を乗り出した双子にひとつ頷く


『ただし、僕の見てない所で魔法を無断使用して、学校の器物破損や他人に迷惑をかけた場合

反省文の提出と………親御さんに来てもらいます』


「「げっ」」


最後の言葉に顔を青くした彼らを見て、僕はにやりと口角を上げる


なるほどこの手は効果がありそうだ


『もし他の生徒に怪我なんてさせたら、それは君達だけの責任ではありませんからね

良いですか？これが"責任を持つ"という事です』


ガーンッとした顔をしながらも、ちゃんと座り直して頷くウィーズリー君達


彼等は僕が思っていたよりも素直な子のようだ


「わかった」

「先生の前でしか魔法は使わない」


『約束ですよ？』


「「はい……」」


しゅん、と落ち込む彼らに笑いかけながら僕は立ち上がってズボンを叩く


『好奇心を持つことは悪いことではありません

しっかり学びなさい

それと、座学にもちゃんと取り組むように』


そう言いながらチョコを渡すと、彼等は花が咲いたような顔になって僕を見た


「これ食べてもいいの？！」


「すごいや、チョコレートだ！」


『他の皆には内緒ですよ』


「「ありがとう先生！」」


嬉しそうにチョコを頬張る彼等を見ながら、僕はかつての仲間を思い出す


アイツらには……最後まで僕の説教は届かなかったけど


君たちの後輩は、僕がしっかり手網を握って立派な大人にしてみせるよ


『君達が無事に卒業するまで、ちゃんと僕が守ってあげますからね』


チョコの甘さに歓喜する彼等を、終わりかけの夏の芝生が優しく包んでいた

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