(２９) ページ29
・
「皆さん集まって！
さぁ、私がよ〜く見えますか？
声はよ〜く聞こえますか……？
………よろしい」
決闘クラブの日が来た。
柱に隠れながら壇上に上がるロックハートを見る。
見つかって絡まれるのは面倒だが、やはり僕の為に犠牲になってくれたセブルスの事が気になったのだ。
「最近何かと物騒な事件が続いているので、校長からお許しをいただいて決闘クラブを開くことにしました。
万一に備え……自分の身を守れるよう皆さんを鍛えます」
その考えは素晴らしいが、なぜお前なんだ。
そして集まった生徒達も……ハリーを骨抜きにしたことは全校生徒が知っているはずなのに、どうして彼から学ぼうと思ったのか……。
はぁ……とため息を吐きながら視線を戻した。
「では紹介しましょう………私の助手、スネイプ先生です！
勇敢にも模範演技を手伝ってくださいます」
本当に彼は勇敢だ。
僕なら何がなんでも断っていたし、関わろうとも思わなかっただろう。
「皆さん心配には及びませんよ。
魔法薬の先生を消したりはしませんから、ご安心を」
笑ってそう言うロックハートだが、彼が言うとシャレに聞こえない。
もしセブルスを消してみろ、今度はお前の全身から骨を消してやるからな……と殺気を送る。
「……！？！？」
ぶるるっと身体を震わせた彼は、それを笑って誤魔化しながら杖を構えた。
「ワン…ツー…スリー……」
「エクス……ペリアームズ！」
「うわぁぁぁぁぁあああッ！？！？」
『……ﾌﾞﾌｯ』
思わず吹き出した。
なるほど、彼はこれがやりたかったらしい。
生徒にわかりやすく呪文と攻撃の構えを見せつつも、確実に怨みを込めてロックハートを吹き飛ばした友人に笑いが止まらなかった。
『流石セブルス……綺麗に決まったな』
壇上でライトに照らされながら凛々しく立つ彼を、何だかとても誇らしく思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび(プロフ) - 海月湊さん» 嬉しいコメントありがとうございます！そう言って頂けると励みになります！これからもよろしくお願い致します。 (2022年9月2日 21時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
海月湊(プロフ) - とても面白かったです。私好みの、作品でした。続きを楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2022年9月2日 18時) (レス) @page20 id: 5a465236d8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぶどうさん» 応援のコメントとご指摘ありがとうございます！編集いたしました！これからもよろしくお願いします´`* (2022年8月27日 21時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - コメント失礼します。凄いスラスラ読めて、とても面白かったです。これからも応援してます！(細かい事ですが、マルフォイのファーストネームはドラコだと思います) (2022年8月27日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび | 作成日時：2022年8月23日 15時
