拾漆ノ型 ページ18
だが、天下の雄英とまで呼ばれるヒーロー科の超名門校である雄英高校が、入試の時点で裏を見抜けないはずがない。
いや、A。何を考えている?
ヒーローになるため、より良い世の中を作るためここに入学してきた仲間なんだ。初対面だが、その志はみな一様に違わない。
もし何かあったとしても悪いことではないのだろう。きっと。
私が勝手に自己完結させようとしてるうちに緑谷君が一回目を思いきり投げた……はずだったのだが。
……悔しくも60手前というぱっとしない所で失速し、落ちてしまった。これだと本当に除籍処分になってしまうぞ。
いや。それよりも、今のは……
「なんで…今確かに使おうって…」
やはりだ。「使おうとした」のに「使えなかった」。
様子を見ていたがあれは確かに制御云々の話ではなく、“個性”そのものが「消えた」といったほうが正しいように思えた。
すると、相澤先生が捕縛布で緑谷君を引き寄せ、何やらシリアスそうな顔で話し込み始めた。
……捕縛布。ああ、なるほど。「消えた」のではなく＿＿＿＿
「抹消ヒーローイレイザーヘッド、か。」
故意に「消した」んだな。これで彼が今“個性”を使えなかったことに合点がいった。
そして、二回目を投げるため話の途中にもかかわらず緑谷君が大きくふりかぶる。
「見込み…」
今まで抱いていた疑念をすべて打ち払う物凄い爆風がきた。
その中から出てきたソフトボールが、ビュンビュンと大きな弧を描きながら風圧と共に遠くへ遠くへと突き進み飛距離をどんどん伸ばしていく。
「ゼロ…」
相澤先生もぽかんとしてしまっている。だが、ボールはお構いなしに飛び続け、最終的に出た記録は「７０５．３m」とあった。
「……暴走して、誰かに止めてもらうつもりだったのか？」
「ッ先生…まだ、動けます…！！」
「やはり見込みはない」とでも言いたげにそう告げる先生に、緑谷君は笑いながらそう伝えた。指先だけに一点集中させて個性を発動させたのか、指の色が痛々しく変色していた。
「！こいつ…！！」
おおよそ「身体強化」とでもいったところか。シンプルなだけに応用もきいて強力なのは確かだが、一度撃っただけであれだと、やはり強力な個性に器である体が適応していないように見える。
首を捻らせながらただその光景を眺めていると、私の隣から殺気に近しいどす黒い気配が発せられていることに気が付いた。
……殺気？
ラッキー食べ物
すし
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねぎ＋(プロフ) - 水稀さん» ありがとうございます！銭湯…同音とはいえ、お恥ずかしい限りです…これからはできる限り誤字をなくしていきます！ご指摘ありがとうございます！ (2021年8月3日 22時) (
レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
水稀 - 最新話で、轟君を捕縛したところで、恐らくですが、誤字を見つけました。銭湯の所多分戦闘だと思います。間違いだったらすみません。 (2021年8月2日 14時) (レス) id: 41c46c637f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ＋(プロフ) - 水稀さん» コメントありがとうございます！そうなんです、戦闘シーンが思った以上に難しくて苦戦してます 笑 面白いと言っていただいてとても励みになります！これからも更新していくので、応援宜しくお願いします！ (2021年7月15日 1時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ＋(プロフ) - 高校ぐらし！！さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて良かったです！今後も地道に活動していくので、応援宜しくお願いします！ (2021年7月15日 1時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ＋(プロフ) - 朱鷺巫女さん» コメントありがとうございます！これからの展開も頑張っていくので、応援宜しくお願いします！ (2021年7月15日 1時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねぎ＋ | 作成日時：2021年2月21日 15時
