忍術学園の六年生には、女子がいる ７

目を覚ませ！の段4 ページ29

涙を流し、短刀を持つ手を震わせるA


一瞬ではあったが、虚ろな瞳に少し光が戻ったようにも見える



Aが動きを止めるのを待っていたかのように、小瓶を持った伊作がAを八左衛門から離した



竹谷「伊作先輩⁈」


善法寺「A！暴れないで！」


『離せ…離せ！』

伊作は小瓶の中にあった液体をAにかけると、暴れていたのが治った


其処へ新野先生がやって来て、Aを抱き上げる


新野先生「伊作君、皆んなの手当てを頼んだよ！」


善法寺「わかりました！」


Aを抱き上げた新野先生は、医務室へと駆け込んで行った


伊作は救急箱を取り出すと怪我した上級生の元へ向かう


七松「伊作…あの液体は…？」


善法寺「実は、皆んなが戦ってる間に裏裏山へ向かったんだ。そしたら、変な液体があって周りには山賊らしき者達が倒れてて…」


鉢屋「A先輩ですか？」


善法寺「ああ。刀でやられたであろう傷があってね…。その後液体を調べてみると、その液体は自我を失う薬だったんだ。」


全員が息を呑む


伊作によると、Aは操られてしまっていたのだった

もし、伊作が効果を消す薬を持って来るのが遅かったら大変な事になっていただろう


喜八郎「A先輩、風まで操るから大変だったなぁ…」


滝夜叉丸「結構な怪我だもんな。」


善法寺「Aも無事だと良いけれど…」


医務室へ運ばれたAは、ぐったりとしており、布団に寝かせられていた

目立った傷は無いが、操られていた事で体に負担が掛かっているようにも見える


土井先生「新野先生！Aは…」


新野先生「体に負担が掛かったようで、目が覚めるのに時間がかかるかも知れません…」

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