私の後輩がヤバイ事に気付きました

強引すぎだ ページ23

「じゃあ、次は私だな！」


どんよりした他の六人とは違い、ぴょんぴょん跳ねながら、手をあげる小平太


すでに責任感で埋もれている六人が、力なく頷くと小平太は話し出した



〜


喜八郎「A先輩、僕すごい落とし穴作ったんですよ！」


『おー！そうか、そうか！どんなのだ？』


喜八郎「長屋の裏に作ったので、一緒に見ましょう！」



踏子を両手で持ちながら、嬉しそうな顔でAと話す喜八郎


何時もと違い、とてもはしゃいでいるように見える


喜八郎の誘いにAが笑顔で頷くと、周りに花を綻ばせ、喜びを溢れさせていた


喜八郎「じゃあ…早速、七松「Aー！」えっ…」


言葉を遮り、突っ込んで来たのは相変わらず元気な小平太


勢いよく抱きついて来た小平太にAは、体制をすこし崩しながらも受け止める


その様子を喜八郎は、不安そうに見ていた



『びっくりした…小平太、いきなりどうしたんだ？』


七松「さっきからAを探していてな！やっと見つけたんだ！」


『何で、私を？』


七松「今から、一緒に裏裏山へ走りに行こう！」


喜八郎「えっ…」



思わず声を漏らす喜八郎は、恐る恐るAを見つめる


笑顔で抱きつく小平太に申し訳なさそうな顔をすると、「ごめんね」と誘いを断っていた


ほっとする喜八郎だったが、小平太は諦める気がないのか、更に強く抱きついて来た


むしろ、抱きつくというより、しがみついている



七松「何でだ！Aと一緒がいいんだ！」


『喜八郎と約束かあるんだ。明日じゃダメなの？』


七松「えー…」


喜八郎「ご、ごめんなさい！」


慌てて謝る喜八郎をAが、止める


しかし、小平太は頰を膨らませながら、喜八郎にふてくされながら言った



七松「Aは私のだから、私と遊ぶんだ！」


『何言ってるんだ、小平太！』


少し怒りながら、小平太を叱るAだったが、喜八郎は俯き、目に光が無かった


喜八郎「A先輩…奪われちゃう…そんなのやだ…」


『ごめんね喜八郎。…どうかした？』

俯く喜八郎を心配そうに見るAだったが、喜八郎はすぐに笑顔で顔を上げた


喜八郎「大丈夫ですよ！」


その時、小平太は気づいてしまった


Aには、笑顔を見せたが、小平太を強く睨んでいたことに


〜


立花「小平太は、強引すぎるぞ！」


七松「細かいことは気にするな！」


中在家「気にしろ…」

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