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Side松倉
「……なんだよ、その顔。」
ぎゅっと結んだ口と、鋭い目。めったに見ることのない表情だけど、これが怒っているときの顔だって俺は知っている。
「言いたいことあるなら言えって。」
声に出してから、胸がチクリと痛む。喧嘩が嫌いなちゃかは、怒っていてもあんまりそれを表に出せない。いつもじっと我慢してしまうちゃかの性格を知っているくせに、今の煽るような台詞はかなり意地悪だ。
「…………すんな、」
「え、？」
いつもなら、ここで俺が「ごめん」を言えばこの険悪な空気は終わる。でも、今日は何かが違う。俺が折れる前に、ちゃかが口を開いたのはただ事じゃない。
「……っ、馬鹿にすんな！」
時間が止まったのかって、一瞬本気で思った。固まった俺を、ちゃかがきらきら光る黒い目でじっと睨みつけてくる。
結局、ちゃかが何も言わないで俺に背中を向けて歩き出すまで、俺はただ突っ立ってることしかできなかった。
次の日から、ちゃかは徹底して俺を避けるようになった。どこに行くにも俺と一緒だったのに、まるでずっと前からそうだったみたいに、ちゃかはクラス内の他のグループに溶け込んでる。
ちゃかは、もともと俺なんかより友達の多いやつだ。こうなったらもう、俺から声をかけるのも難しい。
結局俺は、帰り道すら一緒に歩く人もいないまま灰色の空の下をとぼとぼ歩くしかなくなった。
「……珍しいじゃん、今日は1人？」
学校から帰って、施設の庭の隅っこに座り込んでボーっとしていると、後ろから声をかけられる。振り向くと、丸っこい目がにっこりと笑った。
「なんだ、しずか……。」
「ハズレみたいな言い方すんなよ(笑)。」
笑いながら、しずは俺の隣に座った。広い施設の庭でサッカーをしているちびっ子たちを、2人でぼんやり眺める。
「……しず、仕事しなよ。」
「普段の様子を見るのも、仕事だから。」
ふーん、と気の抜けた自分の声が、湿っぽい風にさらわれる。いつも優しくちびっ子たちにサッカーを教えてるちゃかの姿がないのは、やっぱり変な感じがした。
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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは！コメントとっても嬉しいです（ ; ; ）こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました！！ (9月3日 17時) (
レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年8月20日 19時
