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●俺たちの一歩(赤×橙) ページ7

ちゃか×まちゅ





・もなか様リクエスト



・notリアル設定



・高校生、幼馴染の2人のお話











Side宮近





右足と、左足。合わせて10本ある指の中で、右足の親指だけが一人ぼっちで濡れていた。









「宮近。」





傘を打つ雨の音に混ざって、低い声が聞こえる。顔を上げると、生徒指導の先生が俺のすぐ近くに立っていた。







「……靴、そろそろ新しく買ってもらった方がいいんじゃないか?穴開いてるぞ。」





クツ、ソロソロアタラシク







脳に急ブレーキがかかったみたいに、先生の言葉を上手く理解できない。ただ心臓がバクバク音を立てていて、まるで脳に使うはずだったエネルギーが全部心臓に持っていかれたみたいだった。







「……ぁ、…う、」



「……宮近?」





先生のがっしりとした体が、体温が、ぐっと近くに来る。来ないで!と叫び出しそうになった瞬間、誰かの手がふわりと俺の肩に乗った。









「今度の日曜に買ってもらうって、言ってましたよ。」





な、ちゃか!と、人懐っこい笑顔を浮かべて俺の顔を覗き込んでくる。幼馴染の見慣れた笑顔は、どんな薬よりも早く俺の呼吸を楽にしてくれた。







「……じゃ、そういうことなんで。先生、また明日!」





カラッと笑いながら、俺の手を取ってずんずん歩きだす。







「松倉、ごめん……。」





半歩先を歩くオレンジ色の傘。モノクロばっかりの男子高校生の傘の群れの中で、太陽みたいに光るそれが、雨をはじきながらくるっと振り向いた。







「謝ることじゃないって。…それより、ちゃか大丈夫?しんどかったらどっかで休む?」





ううん、と首を振ると、松倉の顔がほっと綻ぶ。それからは、俺の隣に並んで歩き始めた。





「高校生になっても外靴指定とか、今時ないよな(笑)。」





苦笑いを浮かべた松倉が、靴のつま先で足元のぬかるみを軽く蹴飛ばす。それな、と返す自分の声は、やっといつもの声に戻っていた。

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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは!コメントとっても嬉しいです( ; ; )こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました!! (9月3日 17時) (レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさと | 作成日時:2023年8月20日 19時

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