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Side松倉





「なに書いてんの?」





横から手元を覗き込まれて、俺は慌ててノートを閉じた。一瞬不思議そうな顔をしたけれど、俺と目が合った瞬間元太の目尻がふにゃっと下がる。







「やべー、海斗がいる。マジで嬉しい……。」



「そんなに?(笑)」



「そんなに!!だってヤバいよ?俺、今日まだ一回も授業で寝てない!」





居眠りしないって、そんなにすごいことなのか。よくわかんないけど、元太のキラキラした笑顔には相変わらず変な説得力があった。







「今日、一緒に昼飯食えるっしょ?」





キラキラがもっと強くなった元太の笑顔が、ずいっと近くに来る。俺が頷くと、元太はガッツポーズをつくって立ち上がった。





「俺コウバイ行ってくるから、ちょっと待ってて!」





いつの間にか筋肉がついてがっしりした背中を見送りながら、頭の中で元太の言葉を繰り返す。





“コウバイ”が“購買”のことだってわかるまで、少し時間がかかった。高校も2年生に上がってからほとんど来れてなかったし、心臓の病気のせいで食事に制限がある俺には購買自体なじみがなかった。







「……ちょっと、行ってみようかな。」





ちょっと、のぞくだけ。言い訳みたいなことを心の中でつぶやきながら、教室を出た。









昼休みの廊下にはたくさん人がいてなんとなく顔見知りの人もいたけど、誰とも話すことはなかった。朝、1人で元太が来るのを待っていた時と同じ感覚。入院と退院を繰り返してる俺には、ほとんど友達がいない。自分だけがよそ者みたいな感じがして、気づけば俺は必死に元太の姿を探していた。









「……あ、」





やっと元太を見つけられたのは、違うクラスの教室の前だった。購買で買ったらしいパンを手に持ったまま、誰かと話している。





近づいて声をかけようとしたけれど、できなかった。元太を囲んでいるのは、元太と同じようにがっしりした体つきの日焼けをした男子たちと、化粧をして高い笑い声をあげてる女子。元太が入ってるサッカー部の人たちだろうか。





幼馴染で、ずっと一緒に育ってきたはずなのに。あんなに欠かさず、お見舞いに来てくれていたのに。急に、元太が遠い存在のような気がしてきた。

・→←●陽の光の下で、君と(橙×青)



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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは!コメントとっても嬉しいです( ; ; )こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました!! (9月3日 17時) (レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさと | 作成日時:2023年8月20日 19時

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