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再発、ですか？
絞り出した俺の声に、先生は目を伏せて答えた。
「先月の、定期検査で……」
「……っ、なんだよ、なんなんだよ、それ、！」
缶が床の上で転がる音がする。両手で顔を覆うと、ひんやり冷たい感じがした。
「……元太はそんなこと、一言も、」
「海斗には絶対に言わないって、言ってました。海斗はこれから、すげえ所に行くんだから、邪魔したくないって。」
すげえ所？邪魔？何言ってんだよ、元太。
「元太くん、いつもお兄さんのことを自慢してましたよ。大学の交換留学の選抜試験って、難しいですよね。とにかくすごいテストに受かって、アメリカに行くんだって。俺の兄ちゃんはすげえんだって。」
兄ちゃん。ほとんど言われたことのない呼び方は、静かに記憶を浮かび上がらせた。ダメもとで受けた留学の試験に合格した、あの日。
“すげえよ！さっすが、俺の兄ちゃん！”
俺は自分の顔を潰すくらい、強く両手を顔に押し付けた。押さえて、押さえつけて。そうじゃないと、
「お兄さんは、太陽だって言ってましたよ。俺1人だったら、家は真っ暗だった。パパとママに心配かけて、泣かせてばっかだったと思う。でも、海斗がみんなを明るくしてくれたから。俺は海斗の光をもらって、生きてきたんだって。」
違う、そうじゃない。元太はどうしようもないバカだ。
首を振ると手の力が緩んで、開いた指の隙間から涙がこぼれた。一度溢れたら、もう止められない。
「邪魔したくないって、少し卑屈に聞こえますよね。でも、違いますよ。俺も病気治して、海斗みたいになるんだって。俺も広い世界に出たいって、すごく力強く笑ってました。」
言葉にならない声が、涙が、体の奥から全部あふれてくる。俺の２つの手だけじゃ受け止められなくて、それはそのまま元太と俺がいるこの世界に落ちていった。
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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは！コメントとっても嬉しいです（ ; ; ）こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました！！ (9月3日 17時) (
レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年8月20日 19時
