●月と太陽(青×橙) ページ14
げんた×まちゅ
・みるきー様リクエスト
・notリアル設定
・大学生の兄(まちゅ)と、高校生の弟(元太)
・このお話は、全て松倉くん視点で進みます。
月と、太陽。
ポツリと言った元太の手首には、青いミサンガがあった。そして、俺の手首にはオレンジ色のミサンガ。
「これ、お守りな。留学楽しめるように。」
無事に、とかじゃなくて、楽しめるようにと言うところが元太らしい。
「元太が作ったの？」
「うん。彼女に教わって作った。」
元太の彼女は高校のサッカー部のマネージャーだから、たしかにこういうのは慣れていそうだ。のろけかよ、と言った俺に、元太は照れくさそうに笑った。
「……ていうか、月と太陽なら逆じゃね？」
「え？」
「月と太陽なら、元太がオレンジつけた方がいいよ。その方が似合う。」
なんの疑いもなく言い切った俺を、元太が見つめてくる。まっすぐに。
「……違うよ。」
「え？」
“太陽は、海斗だよ。”
澱みもゆがみもなかったその声は、俺にとって元太の"最後の声”になった。
「……もって、あと数日かと。」
頭の上からその声が降ってきても、俺はひたすら目の前の腕をさすり続けていた。青いミサンガに指先で触れてから、ゆっくりと顔を上げる。
「松倉さん、」
日本人離れした彫りの深いお医者さんの顔が、俺を見下ろしていた。はい、と返事をしようとしたけれど声がかすれてしまう。
「呼吸が弱くなってきています。元太くんは、もう……」
もう？元太の手、こんなに温かいのに？
「……先生は、元太を助けてくれるんじゃないんですか。」
「……申し訳、ありません。」
白衣の裾が重力に負けるのが、目の端に映る。
月の見えない夜。
俺はこれから、この世界で1人ぼっちになるんだと悟った。
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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは！コメントとっても嬉しいです（ ; ; ）こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました！！ (9月3日 17時) (
レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年8月20日 19時
