●今は、守らせて(桃×白) ページ1
しめ×のえる
・はな様リクエスト
・notリアル設定
・社会人の兄(如恵留)と、心臓の病気を抱える高校生の弟(しめ)
Side如恵留
パソコンの画面に映る、無機質な電子カルテ。そこに浮かぶ「18才」の数字を盗み見ながら、18才を成人だと言い出した大人はいったい誰なんだと、とりとめもなく考える。
そうやって思考を逃がさないと、俺は毎度この時間に耐えられそうもない。
「今回も、特に問題ありませんでしたよ。」
先生の一声で、やっと人心地がついた。無意識に止めていた息をそっと吐き出す俺の横で、先生が弟の胸に聴診器を当てる。
「最近、体のことで気になることはない？」
「全然。絶好調です。」
きゅっと口角を持ち上げて、華やかな笑顔を浮かべた弟が言う。その笑顔に似つかわしくない傷跡の残る胸を隠すように、弟は手早く制服のボタンを閉めた。
「先生、俺この後用事あるのでもう帰ります。」
「え！？」
用事って、何だ。聞いてない。俺が呆気に取られている間に、弟は軽やかな足取りで診察室を後にした。
「待って、用事って何？」
慌てて後を追いかける俺に、弟は振り向きもせず答える。
「放課後ちゃかたちがカラオケ行くんだって。俺も行こうかなって。」
だからわざわざ制服で来たのか。今日は検査で学校を休んでいるのに、なんで制服を着ているのかずっと不思議だったんだ。
「如恵留こそ、今日ほんとは会社の飲み会あるんでしょ？行ったら？」
ほら、あれって大事なんでしょ。あれ、えっと……
「……もしかして、飲みにケーション？」
「そう、多分それ！すご、よくわかったね！」
多分ってなんだ、と心の中でツッコミを入れている間に、弟はスタスタと病院の出口へ向かっていく。
「……あ、ちょっと！」
早めに帰って来いよ！と人目も気にせず放った声が、病院のロビーに響く。弟にちゃんと届いたかどうか、きわどいタイミングで自動ドアが静かにしまった。
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おさと(プロフ) - もなかさん» もなか様、こんにちは！コメントとっても嬉しいです（ ; ; ）こちらこそ、素敵なリクエストを本当にありがとうございました！！ (9月3日 17時) (
レス) id: e06b49d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - とても素敵なお話をありがとうございました!リクエスト自体初めてであんなざっくりした内容がこんな素敵なお話になるなんて思ってなかったです!キュッとなってホロリとしてホワッと心温まりました。ありがとうございました! (8月30日 22時) (レス) @page14 id: 4ecbc78f68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年8月20日 19時
