アネモネと君と 。【∞･考察系】

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章ちゃんに貰ったネックレスは



すぐに私のお気に入りになった。



といっても、もったいなくて一度も着けなかったけれど。



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【今日はありがとう。楽しかった！】



デートに行ってきた夜、章ちゃんにメールする。



今日のことを思い出すと、自然と頬が緩んだ。



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‘あ、あのネックレス着けて行ったらよかったかな’



ふとネックレスに目が止まると、



‘あれ？ こんなにきらきらしてたっけ？’



照明を反射しているには、少々輝きすぎているような気がした。



‘何でだろう？ まあ、いいか’



気になったものの、今日のことが嬉しすぎて疲れてしまったので



さっさと布団に潜った。



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ある日。



【章ちゃんのばか。大嫌い。最低】



些細なことで喧嘩をしてしまった。



楽しいデートだったはずなのに……何で？



冷たい章ちゃんと、自分自身の両方に腹が立って。



いらいらして、机の上にあった物を手当たり次第投げた。



その時、あのネックレスが手に当たって。



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‘あれ……？ ガラス、こんなに曇ってたっけ？’



キラキラしていたはずのガラスが、くぐもっていた。



‘何で――？ 普通に置いておいたのに’



そんなことにすらもいらいらして、ベッドに潜って半ば無理矢理眠った。



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少女は、青ざめた顔で携帯を操作していた。



その携帯が少女の手から滑り落ちる。



少女は少年の今を思った。



真っ赤な少年を想像して、涙する少女。



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ガラスの靴は、儚く割れた。



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【end】

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