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side七五三掛
事務所のレッスン室は何回も使っているはずなのに、なんでか初めての場所みたいに見えた。
周りにいる人だって、全然はじめましてじゃない。ほとんどジュニアのみんなだけど、声をかけてくれる子もたくさんいたし、今日は見学だけだからっていちいち言わなきゃいけないこと以外は全部いつも通りのはず。
久しぶりに会う人がいっぱいいるから緊張してるのかもって思いこむことにして、とりあえずレッスン室の隅っこに行く。周りから浮かないように、軽くストレッチだけやってみることにした。
「……痛ったぁ。」
脚を広げて体を前に倒すだけの、簡単なストレッチ。それなのに、ピリピリ痛みがはしる。柔らかいって周りのみんなは褒めてくれるけど、自分からしたらすごく硬くなってるってわかるし、トラジャのみんなも見たら硬くなったって気づくはず。
レッスンが始まって部屋の一番後ろに移動しても、俺はなかなか気持ちを切り替えられなかった。
正直に言うと、すごくショックだった。後輩のみんなのダンスのキレが、想像以上に良かったことが。
びっくりするくらいいい動きをしてるたくさんの背中を、俺はただ後ろから眺めてる。アメリカにいた頃、レッスン室の一番前でがむしゃらに踊ってた自分なんて最初からいなかったみたいだ。
マスクなんかしていないみんなの吐く息と、汗。健康なエネルギーでいっぱいのレッスン室の空気は、俺だけを息苦しくさせる。
気づいたときには、ドアを開けて飛び出していた。通路の少しだけ冷たい空気を必死に吸い込むけど、あんまり楽にならない。
「……っ、ハァハァ、」
頭がフラフラしてきて、とっさにしゃがみこむ。絶対に頭は打っちゃいけないから、怪我をしちゃいけないから。「しちゃいけない」ことを避けることだけが、上手くなる。
「は、……っふ、ふぅ、は、ぁ、」
ダメダメ、もっとゆっくり息しなきゃ。呼吸が浅くなるからめまいもひどくなるって、病院の先生だって言ってたじゃん。
俺はペタッと床に座り込んで、体育座りみたいな格好になる。膝の間に顔を埋めようとした、その時だった。
「……七五三掛くん？」
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おさと(プロフ) - 七桃さん» 七桃様、コメントありがとうございます！そう言っていただけて、とっても嬉しいです😭これからもお楽しみいただけるように頑張ります！ (6月20日 20時) (
レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
七桃(プロフ) - 短編集の時からおさとさんの小説読んでて、ほんとに好みすぎます……♡笑 これからも楽しみにしています！ (6月18日 23時) (レス) @page7 id: 224ce8b2d8 (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - はなさん» はな様、コメントありがとうございます！貴重なご意見もお寄せくださり、ありがとうございました😊亀更新ですが、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！！ (6月13日 7時) (レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
はな - こんばんは😊お話楽しみにしてます！ (6月11日 22時) (レス) id: 1e8df6407a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年6月11日 21時
