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「お、いいですねー！２人、もっと近づいちゃってください！」
カメラマンさんの要望に躊躇なく応えるのは、いつもしめが先だ。ぐっと体を寄せてきたしめと一緒に、俺もカメラに視線を送る。
雑誌撮影ではおなじみのペアショット。今日に限ってしめとペアなんて気まずいと思っていたけれど、そこはもうお互いいい大人だ。仕事だと割り切ることは、そう難しくない。
「……あ、七五三掛さん。もうちょっと笑顔下さーい、」
滅多にしめにかけられることのない言葉に、思わずカメラから視線を外して隣を見やる。しめの視線がゆるゆると下の方に落ち始めていることに気づいて、俺はとっさにその体に腕を回していた。
「しめ、大丈夫？……すいません、一回止めてください。」
カメラのシャッターが止んだのと同時に、しめはフラフラとその場にしゃがみこんだ。床に倒れてしまわないように、俺も体を支えたまま一緒にしゃがむ。
「…ハァハァ、すぐ、治まるから、大丈夫っ…」
「大丈夫じゃないでしょ。めまいするんじゃないの？」
実はこのペア撮影をする前に、全員での撮影があった。ずっと立ちっぱなしの撮影だったから、貧血の体にこたえてしまったのかもしれない。
「しめ、一回休憩もらって楽屋で休もう。」
「…っ、ヤダ、最後まで、やる。」
「意地張って倒れたら元も子もないって。」
「でも、みんなに迷惑っ、」
「そんなこと、気にしなくていいの。」
俺がその一言を放った瞬間、腕の中でしめの体がこわばるのが分かった。辛そうに顔を顰めながら、それでもしっかりと俺の目を見据えてくる。
「如恵留には、わかんないでしょ？できる仕事が少なくなって、色んな人に迷惑かけるようになって、自分の価値がどんどんなくなってく感じ。いつ『いらない』って言われるか、トラジャのお荷物だって思われるか、ずっと怖いんだよ…！」
あふれかえったしめの想いは、瞬時に受け取るにはあまりに重みを伴うものだった。黙っている俺を見て、しめはますます語気を強める。
「『気にしなくていい』なんて、俺のこと許すみたいな言い方して。同情で優しくして、気持ちいい？」
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おさと(プロフ) - 七桃さん» 七桃様、コメントありがとうございます！そう言っていただけて、とっても嬉しいです😭これからもお楽しみいただけるように頑張ります！ (6月20日 20時) (
レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
七桃(プロフ) - 短編集の時からおさとさんの小説読んでて、ほんとに好みすぎます……♡笑 これからも楽しみにしています！ (6月18日 23時) (レス) @page7 id: 224ce8b2d8 (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - はなさん» はな様、コメントありがとうございます！貴重なご意見もお寄せくださり、ありがとうございました😊亀更新ですが、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！！ (6月13日 7時) (レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
はな - こんばんは😊お話楽しみにしてます！ (6月11日 22時) (レス) id: 1e8df6407a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年6月11日 21時
