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事務所のレッスン室に着くと、中から早速新曲が聞こえてきた。少し遅れてしまったみたいで、みんなもう勢ぞろいしている。
俺は適当にストレッチを済ませて、メンバーの中に混ざった。
もう何回も踊ってる振付。軽く確認するだけだから大丈夫。
そう思って、油断したのがダメだったのかもしれない。
「…しめ！」
踊ってる途中で急に足元がふらついて、まっすぐ立っていられなくなった。船の上でユラユラ揺れてるみたいな世界で誰かの体にぶつかった俺は、床に勢いよくしりもちをついていた。
「っ…！」
「しめ！如恵留！」
みんなの声で、俺がぶつかったのは如恵留なんだってわかる。謝らなきゃと思うのに、ずっと揺れてる視界が気持ち悪くて、俺はうずくまったまま顔を上げられなくなった。
「しめ、大丈夫！？頭とか打ってない？」
すぐ近くで、如恵留の声がする。うん、と頷いたつもりだけど、頭がグラグラしてそれも上手くできたかわかんない。
「ゆっくり息して。楽な体勢になろうか。横になる？」
俺は返事もできないまま、倒れ込むみたいに床に寝転がった。心臓がバクバクして、ずっと息が苦しい。今までだって、こんなにひどくなったことないのに。
「しめ、病院行こう。」
嫌だって言いたいのに、ハーハーって絞り出すみたいな息が出るだけて、声が出せない。必死に首を横に振ると、如恵留に手を握られた。
「どこか怪我してたら危ないんだから。一緒に行ってちゃんと診てもらおう。ね？」
嫌だ、だって病院に行ったら全部わかってしまう。俺が勝手に薬を休んだことも、多分貧血がひどくなってることも。
車まわして来たから、とマネージャーの声が聞こえて、俺は泣きたい気持ちになった。
俺はきっと、これからたくさん"ごめんなさい"を言わなくちゃいけない。
それが、悔しくて仕方なかった。
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おさと(プロフ) - 七桃さん» 七桃様、コメントありがとうございます！そう言っていただけて、とっても嬉しいです😭これからもお楽しみいただけるように頑張ります！ (6月20日 20時) (
レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
七桃(プロフ) - 短編集の時からおさとさんの小説読んでて、ほんとに好みすぎます……♡笑 これからも楽しみにしています！ (6月18日 23時) (レス) @page7 id: 224ce8b2d8 (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - はなさん» はな様、コメントありがとうございます！貴重なご意見もお寄せくださり、ありがとうございました😊亀更新ですが、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！！ (6月13日 7時) (レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
はな - こんばんは😊お話楽しみにしてます！ (6月11日 22時) (レス) id: 1e8df6407a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年6月11日 21時
