しぬまできすを。【竈門炭治郎】

玉に大瑕 ページ8

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「デリシャスビッグアイスチョコイチゴバナナクレープください」


「…………？？？？」









建前上は休憩、本当はAの機嫌直し…ということでクレープ屋さんに寄ったが、「好きなものを頼んでいいぞ」と言うと彼女はきらきらと目を輝かせてさっきのものを頼んだ。








「…炭治郎は？食べないの？」

「え？あー…じゃあチョコバナナクレープで」








「はい」



店員さんがにっこり笑って奥に引っ込んでいってしまったので近くのベンチに2人で座った、が、








「A…あんなの食べれるのか……？」

「あんなの…？」


「ほら、昼ご飯食べたばっかりだろう。あのクレープ結構大きかったし」


「…別腹」









そう言ってふいと顔を背けてしまった。



うん…まあ食べきれるんだったらいいんだけどな？








店員さんが持ってきてくれたクレープを2人で食べていると、ふと馴染みのある匂いがした。








「…？炭治郎？」


「……あ！」








きょろきょろと周りを見回していると……いた。








「善逸、伊之助！！」


「え…知り合い？アレが？」









…クレープ屋さんの店員さんを口説いている善逸と、そんな善逸を思いっきり殴っている伊之助、が。









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「権八郎！」


「あ、たんじ…ってはァ！？！」









買い物に来ていたらしいふたりは、自分たちの分のクレープを頼んで俺たちの隣に座った。







「炭治郎、誰よそのかッわいい女の子は！？何！？隠し子！！？」


「誰との子だ。あと違う」


「……甘すぎるな、コレ。天ぷらの方がうめぇ」









ふたりは高校の時からの付き合いで、今も同じ会社で働いている。



ふたりとも良い奴なんだが…うるさすぎるのが玉に瑕、だな。







「だれ、この人…」

「俺の友達だ！」

「変な人だ……」


「ほんとに可愛いね君！！名前は！！？」








詰め寄る善逸に、Aは嫌そうな顔をして俺の後ろに隠れた。





「あ〜ッ、逃げないでよ！？」



「………」


「…えーっと、な。この子は訳あって昨日から家に住んでいて…」


「ハァン！？訳って何！！！どう言いくるめてこんな可愛い子と同棲してんの！！？」



「黙れ紋逸」








伊之助が容赦なく善逸の首に手刀を入れたため、善逸は静かになった。



……というか、気を失った。









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