コーヒーとココア ページ2
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戸惑いの匂いをぷんぷんさせる女の子を連れ、アパートの近くの公園まで連れてきた。
立ち話も何だし。
「…あ、とりあえずベンチに座っててくれる？」
「え、あ、はい、」
女の子は戸惑いの匂いをさせているけど…嫌がる匂いはさせていないから大丈夫だよな、うん！
近くの自販機でホットのコーヒーとココアを買い、女の子に手渡す。
「はい」
「えっ…？」
「…？ココア。苦手だったか？」
「いや、えっと、そうじゃないですけど…」
「貰えないです」
呟いた女の子は、そのままそっぽを向いてしまった。
…わかった、この子、すぐ遠慮しちゃうんだ。
はあ、ため息を吐くと、女の子は怯えたように肩を揺らした。
それから、俺の機嫌を伺うように上目遣いで見つめてくる。
もう、怒ってなんかいないのに。
「はい！」
「！？」
膝の上で組まれていた両手を強引に引っ張り、ココアを持たせる。
「いっ、いいです！」返そうとしてくるが、受け付けない。
「君はココアがいらないのか」
「そうじゃ、ないですけど…その、今会っただけの方に頂くのは…」
「俺があげたいんだ」
「…えっ？」
「俺が君にココアを飲ませてあげたいんだ」
「受け取ってくれ」
ベンチの隣に座り、缶コーヒーを開ける。
まだあわあわしている女の子を無視してコーヒーを飲むと、やがて観念したように「わかりました、ありがとうございます…」と言って女の子もココアを開けた。
…否、開けようとした。
「…？っ、っ？」
「どうしたんだ？」
「えっと…開かなくて」
「貸して」
受け取ったココアのプルタブを引っ張ると、何事もなく開き、湯気がほわほわ逃げ出す。
「あ、ありがとうございます…」
「ふはっ」
肩を揺らした女の子には両手を振りながら、それでも笑いは止まらなかった。
「いや、うん…力、弱いんだなって。
女の子みたいで可愛いな！」
いや、女の子なんだけど。
すると彼女は頬を朱に染めて、俯いてしまった。
「…君の名前は、何というんだ？」
「え？」
「俺は竈門炭治郎！さっきもあの男に名乗ったが…まあ、普通のサラリーマンだよ」
「人より少しだけ鼻がいいんだけどね」
そう言って笑うと、つられたように、初めて女の子は笑い返してくれた。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らんま - リクエストです！！夢主と喧嘩するけどすぐ仲直りする話が見たいです！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: 8f0cba522e (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - この物語結構自分好みで毎回見させてもらってます！リクエストの事なんですけど、やっぱり作品名が『しぬまできすを。』なのでキスはした方が合っていると思います！ (2020年4月4日 23時) (レス) id: 70333e6632 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - リクエストに応えていただき有難うございますm(_ _)m読みました！私の想像を遥かに越える素敵な作品に！しかも一緒に寝るまで。ほくほくな気持ちで一杯です。本当に有難うございました(*^^*) (2020年4月2日 22時) (レス) id: e3d4a15806 (このIDを非表示/違反報告)
いしい(プロフ) - 佐藤もあさん» ありがとうございますすすすっ…炭治郎も夢主ちゃんも可愛くて混乱しました:）私はすごくとても満足したよう。こちらこそありがとう〜〜！ (2020年4月2日 21時) (レス) id: 335b9bb40b (このIDを非表示/違反報告)
佐藤もあ(プロフ) - いしいさん» リクエストのお話、書きました！こんなのでよかったかな、まだあんまり納得いってないので今度またリベンジさせてください…！リクエスト本当にありがとう！！ (2020年4月2日 18時) (レス) id: 6a67217fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤もあ | 作成日時：2020年3月16日 0時
