新しい朝 ページ8
祖母の部屋は綺麗で、掃除なんて必要なかった。
ふと視線を落とした先に小さな紙があり、Aちゃんへ・・・と書いてあった。
小さな紙切れは二つ折になっていて開くと祖母の文字で【ごめんね】と書いてあった。
今更、何のことだか判らないけれど、謝るなら私の方だと瞼がじんわり熱くなるのを感じた。
両親が事故で他界して、祖母の家に引き取られたのは13歳の頃だった。
父の母である祖母は、私に父の面影を探しているように感じた。
それが、鬱陶しくて冷たくしていたから。
どんなときも、けして祖母は見捨てなかった。
私の顔色を見つめて、ただ愛してくれていた。
A「なんで・・もっと・・長生きしてよ。」
ぽろぽろと零れる後悔の涙を止められなかった。
大学を卒業して、就職が希望通りに決まり、これから沢山の親孝行をしたくて旅行のパンフ集めていたのに。
ある日
祖母「Aちゃん。おばあちゃんね入院するから。それでね、多分帰ってこられないの(笑)」
そう言って寂しそうに笑った。
入院前に全てを譲り受け、まるで予知していたように通夜の日どりも自分で手配していった。
祖母「Aちゃん。おばあちゃんはずっとそばで見守ってるから。Aちゃんの事を守ってくれる人が現れるまでは生きていたかったけどね。また一人にしてしまうね、ごめんね。」
最後まで私の事を愛してくれた。
祖母「泣かないで。おばあちゃんはAちゃんの笑顔大好きよ。」
そんなことをくりかえして思い出してしまう。
A「あ〜あ〜！！！」と切り替える為に大声を出してみる。
気づくと夕方になっていて、空が赤く染まっていた。
家の中に居る事が辛くなる時間が来たんだと思う。
そんな時は屋上に上がるようにしている。
祖母が置いたベンチでボーっと空を眺める。
A「今日は、ビールかな。」
350MLのビール缶をもって屋上に上り、ベンチに座りビールの口を開ける。
一口飲んで、生きていた頃の祖母と一緒に飲んでるような錯覚があった。
A「おばあちゃん、大好きだよ。ごめんね。ありがとうね。」
微かに祖母の声で「産まれてくれてありがとうね」と聞こえた気がした。
空が暗くなって星が見えるようになるまでビールを少しずつ飲んで、とても気持ちのいい夜だった。
・・・のに。
目が覚めたら見知らぬ人達に囲まれていた。
白雪姫と俺 Doside→←この気持ちはなんだろうか。Doside
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さとまあ(プロフ) - 山ちゃんさん» ありがとうございます。頑張りマッス！( *´艸) (2016年7月18日 22時) (
レス) id: 24191b2c58 (このIDを非表示/違反報告)
山ちゃん - いつも読ませていただいてます(*^-^*)最近読み始めたのですがとても面白いです！更新頑張ってください＼(^^)／応援してます(*´ω｀*) (2016年6月24日 20時) (レス) id: f68067785e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとまあ | 作成日時：2016年5月23日 18時
