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第4話【奈白】 ページ4

暗がりが辺りを包む静かな夜。空にはいつもより美しい月が存在感を示していた。

「今日のお月さんは一段と綺麗やねぇ……。雲一つかかってないせいなんかな」

 呟くようにそう言えば、隣で甘えていた妹分はそうですか?と少し不機嫌そうに問い返してきた。普段はボクの言葉すべてを肯定する彼女にしてはえらく珍しい反発。それが少し嬉しくて、なんで?と先を促してみれば彼女は少し表情を曇らせながらゆっくりではあるが話し始めた。

「……月は、わたしの全てを奪った日の象徴だからです。“前”はお兄様(あにいさま)と仲間が奪われ、“今”ではヒトとしての幸せをすべて奪われました」

「そうやねぇ……。でも、そう考えたらボクとまた会えたのも月の日やで?」

「確かにそのことについては感謝していますし、嬉しく思います。でも、わたしから多くを奪った日であることに変わりはありませんよ」

 心底疎ましげに語る妹分は、顔は見えなかったが悲しさと憎しみを滲ませた声をしていて。気付いたときにはボクの手は彼女の頭を撫でていた。

「お、お兄様? どうされたのですか?」

「んー? お前が悲しそうに見えたからついな」

「なんですかそれ……」

 困ったように笑う彼女に“前”の面影が重なり、悲しいような懐かしいようなよく分からない気持ちに満たされていく。
 そんな時、微かではあるが知らない気配を感じそっと彼女を起こす。

「雛、起きや。新人やで」

「どうなさいますか?」

「んー、遠目から確認するだけして……、あとは呼ばれるまで待機してよか」

 そう笑ってみせれば、彼女はお供しますといって立ち上がる。
 ほな行こか。隣で笑う幼い彼女と手を繋ぎ、自室の外へと一歩踏み出した。

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空李(プロフ) - 終わりました。 (2018年2月12日 0時) (レス) id: b60b489341 (このIDを非表示/違反報告)
空李(プロフ) - 大変遅くなりましたが、更新させていただきます。 (2018年2月11日 21時) (レス) id: b60b489341 (このIDを非表示/違反報告)
琴爪 凛(プロフ) - 更新しました! (2018年2月11日 21時) (レス) id: 7e9d5ee945 (このIDを非表示/違反報告)
琴爪 凛(プロフ) - なんかもう、ごめんなさい。今更だけど更新します…。 (2018年2月11日 20時) (レス) id: 7e9d5ee945 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ鈴(プロフ) - 遅くなりましたが更新します! (2017年11月11日 6時) (レス) id: 277a106646 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他3人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月18日 0時

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