色の行方 ページ5
中間side
少し俺の話をしよう。
ともとの出会いは俺が高校2年の頃
ともは5歳だった。
正月の親戚の集まりで、姉と一緒にやってきた。
『かみやまともひろでしゅっ!』
めちゃくちゃ可愛くて始めは女の子かと思ってしまうほど。
それから1か月に一回のペースで写真が送られてきた。
けれどいつの間にか写真も送られてこなくなってて
正月とかも遊びに来ることはなかった。
そんなことが4年続いたらさすがに俺も、俺の親もおかしいと思い始めた。
姉に電話してみたら、離婚したことを聞かされてそれ以上のことは何も話してくれなかった。
俺は社会人になり、上京することになった。
上京するついでに姉の家訪れてみようと思って、かなり前に聞いた住所を頼りに家を探した。
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そんときに見つけたのが倒れたともの姿だった。
俺は急いで救急車を呼んだ
けれど軽く頭を打った程度で捻挫以外は特に大きな怪我はなかった。
それよりも体にある痣が気になった。
医者の知識なんてこれっぽっちもない俺でさえおかしいと感じるくらいだ。
真っ先に思い浮かんだのが、虐待で警察にも届けを出した。
そんなこんなであっという間にともを見つけてから1週間経って、それからようやく目を覚ました。
歳的には10歳だが、体は幼くて、話してる限りだと知識は6、7歳程度のものだ。
きっと閉じ込められてたのだろう
もっと早く来ていれば………
そう思ったのもつかの間
ともから「色がない」と言われた。
はじめはどういう意味かよくわからんくて初めて「淳太くん」って呼んでくれたことに対して喜んでた。
けれどともの顔を曇っていて
『淳太くん…空に色がないんやけど……』
この一言で全てを察した。
ともの世界には色がない
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作者名:るる | 作成日時:2018年5月15日 21時