これからも ページ10
A「卒業しちゃったねぇ…。」
洋「あぁ。」
桜の花びらが彩る空を見上げながら隣で相槌を打つ彼。
少し先で桜木くん達が大楠くん達とバスケ部のみんなとでワイワイ楽しそうにしているのが目に入る。
A「洋平は行かなくていいの？」
洋「あいつらとはまた後で会うから。なんつーか、今はAの最後の制服姿を見ておきてーんだよな。」
ニヤニヤと悪戯っぽく口角を上げながら、こちらを見て言う。
バカ。と一言告げると何？照れてんのかよ？と揶揄ってくる。こんな掛け合いを幾度となく繰り返してきた。
進路は桜木くんはバスケを続けて行くみたい。洋平は就職するみたいで、私も大学に行って学びたいことも無かったから就職にした。
何週間か後に入社式もある。
もう、社会人の仲間入り。
そんなことを思いながら黄昏ていると洋平がこちらを向いた。
洋「ところで」
A「ん？」
洋「明日から忙しかったりすんのか？」
A「？いや、入社式まで特に予定はないけど。」
洋「それならよ…部屋、見にいかねぇか？」
A「え？洋平、一人暮らしするの？」
洋「いや、俺とAが一緒に住む部屋。」
A「えっ！？」
洋「Aは嫌か？」
A「う…ううん！！すっごく…嬉しい！」
洋「ははっ、よかった。親御さんにも改めて挨拶しに行かねーとな。」
少し頬を染めて笑う洋平が幼くも頼もしく見えた。
2人で部屋の間取りや家具などの話になり自然と口角が上がる。
少し不安な新社会人も
洋平と一緒なら頑張れそう
洋「ん？なんか言ったか？」
A「洋平、これからもずっと好きだよ。」
洋「なんだ？急に改まって。…俺もずっとAと一緒にいてーし、、その…好きだ。この先もな。」
照れた顔も少し大人びたその視線も
この先、ずっと独り占めするんだ。
洋「しっかし、断られなくてよかったぜ。これからもよろしくな。俺だけのお姫様。」
A「ｯｯ…ま、また揶揄って…！」
優しく抱きしめながら耳元で囁かれて
真っ赤になってるのは内緒。
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作者名：さちまる | 作成日時：2022年3月23日 4時
