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休みのショッピングモールは人が混み合う。暇を潰せればいいのだ暇を潰せれば。
 人混みを抜け出し、休憩用に設置されているベンチに腰掛ける。穏やかな日差しが差すこの場所は、良くも悪くも昼寝に最適だった。次はどこに行こうかとぼんやり悩んでいた時、見知った影がやってくる。確か、あかねがいつか告白すると言った相手じゃないか?

「見つけた」

 話した事のない相手。しかも、片想いされている相手。気まずくならない方がおかしい。すぐに逃げ出したくなったが、腕を掴まれた。
 理解が追いつかない。

「着いてきて」

 着いてきても何も連行されてます。
 人が少ない角のエリア。楽しそうな声が遠くに聞こえる。一体何が始まる?

「Aだよな」
「そうです、けど」
「…」

 掴まれていた腕を離され、向き合う。心做しか、彼の耳が赤くなっている。全てを察した。

「その」

 ダメだ。

「俺」

 それ以上は。

「Aが好きなんだ」

「……」

 ぐわんぐわんと頭が揺れる。あんたが私を好きになってどうすんだ。しかも初めての告白だぞ。恋心がわからないし、彼の事も、あかねから聞いた話しか知らない。

 色んな思いが渦巻いて、気持ち悪い。

「…」
「つ、付き合っ」
「む、むり、ごめんなさ」

 目を合わせられず、拒否の言葉を言い捨てて、震えた足に叱咤して走り出す。呆然としているだろうが、許してほしい。貴方は、私を好きになるべきじゃない。きっと。
 思いを無下にした事。後悔地味たものが込み上げる。でも決して、そこに恋愛のそれはなかった。最低だと思われるだろうが、持ち合わせていないのだ。
 この事は、絶対あかねに話せない。どうか私の事は諦めてほしい。明後日、どんな顔で会えばいいのか。
 閉じこもりたかった。

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作者名:さくら大福 | 作成日時:2020年2月15日 2時

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