１糸 ページ3
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「姉さん」
「なぁに、水樹くん」
「姉さんは……姉さんなら、ヒーローになれるよね」
病室のベッドに座りながら、不安そうな顔で私をのぞきこんでくる。
ああ、そういえば、水樹くんの夢はヒーローだったっけ？
優しくて正義感の強い水樹くんにはぴったり仕事だね。
すごいな、私なんかと大違いだよ。
私は別にヒーローには興味無いからな……。
でも、水樹くんのお願いなら……
「水樹くんが望むなら、私はヒーローになるよ？」
「……姉さんは、それでいいの？」
「いいんだよ、水樹くんがそれを望んでるなら
私はいつだって、水樹くんの願いを望みを叶えるよ」
「……じゃあ、姉さん、僕の代わりにヒーローになって？」
お願い、という顔をして見上げる水樹くん。
私はふわりと頬を緩める。
「水樹くんのお願いなら、喜んで」
「ありがとう、姉さん」
ごめんね
水樹くんの口から零れ落ちた小さな呟きは聞かなかったことにした。
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「水樹くん、そろそろ帰るね？」
「うん、わかった
勉強、頑張ってね？」
「うん。
またね、水樹くん」
「うん、バイバイ姉さん」
小さく手を振る水樹くんの頭をふわりと撫で、病室を出た。
「ふぅ……。
ヒーロー、か……。」
私に出来るのかな？
でも、何が何でも成し遂げないとね。
なれなかったってことは、つまり、水樹くんのお願いを聞けかなったってことだものね。
病院内をゆったりと歩きながら、ある人の病室を目指す。
しばらく歩いていると、その病室が見えてきた。
ガラリと開いた扉から姿を現したのは、見たことのある白い髪。
「あれ、Aちゃん！」
相変わらず綺麗な人だ。
ふわふわと揺れる長く白い髪。
頬を緩め、互いに笑い合う。
「冬美さん！
お久しぶりです、轟さんの体調はどうですか？」
「久しぶり、母さんは……相変わらずかな。」
「そうですか」
「Aちゃんの方は？」
「こっちも相変わらずですね」
轟さんとは、冬美さんのお母さんのこと。
冬美さんとは、ある年の冬に出会った。
その際に轟さんともあったのだ。
轟さんも冬美さんもとても優しくて綺麗な
ああ、たしか、冬美さんが私と同い年の弟がいるって言ってたな
ふと、そんなことを思い出した。
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七色 - 続きがとても気になります。更新、楽しみにしてます。頑張ってください。 (2017年7月26日 22時) (
レス) id: f6813bae62 (このIDを非表示/違反報告)
シズ - すごく面白いです！死柄木さんとの絡みがすごく( ・∀・) ＜いいですね！！これからもガンバです!!!! (2017年6月26日 22時) (レス) id: ae7acc3881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moe | 作成日時：2015年5月26日 19時
