【実況者】恋愛恐怖症3【ky】

Part126 ページ31

ーーーやばい。




誤解を解こうと必死になるあまり
勢いに任せて恐ろしく言葉足らずな発言をしたことを
キヨさんのリアクションで自覚する。




毛布を被っているし暗闇だし、キヨさんの表情は分からない。いや、見る勇気もない。




『あっ、えっと、ご、ごめんなさい。言葉足らずです、あの、キヨさんのこと怖いと思ってないし、人としても活動者としてもとても尊敬しててって言う意味で…あの…！』
とにかく、早く補足をしなければ。
そう思い、吃りまくりながらも半ば早口で捲し立てる。




「…や、ごめん、俺が早とちった。」
小さな声でそう呟くキヨさん。心情は読めない。




『そもそも怖かったらこうやって一緒に居ようとしませんし。』



「…そっか。」
ふ、と小さく笑う声が聞こえた。不快な気持ちでは無さそうなのでひとまず安心する。






「でも俺は、Aちゃんのことずっと前から好きだった。」




キヨさんの突然の言葉にヒュウっと息が詰まる。
人って予想してないこと言われるとこんなに動揺するんだなあと、見当違いなことが頭をよぎった。




『…あの、それは…』
私はキヨさんの言葉の意図を探ろうと、毛布越しに恐る恐る聞き返す。





「ごめん、一人の女の子として好き。…です。」





好き…キヨさんが私を。
ノリや遊びでこんなことを言わない人だと言うのは、今までの関わりの中で充分わかる。
恐らく本心なのだろう。
彼がごめんと謝るのは、私が恋愛に対して苦手意識があるのを知っているからだろうか。
私への好意を伝えるのに、謝罪の言葉を入れさせてしまっている自分が、嫌に情けなかった。




「Aちゃんが恋愛に対して恐怖心というか、苦手意識があるのはわかってて、それなのにこんな事言うのも悪いんだけど。うっしーだって、Aちゃんの辛い顔はもう見たくないってよく言ってるし。」



「俺じゃ役不足過ぎるってわかってんだけど、今ここにいるのが俺じゃなかったら、って考えがよぎった時にすげぇ嫌だなって思って。伝えたら困らせるのもわかってんのに、ごめん。」



一つ一つの言葉がスっと心に広がる不思議な感覚がした。
キヨさんの告白を、前向きに聞けている自分がいる。



「けど伝えるだけ伝えて、忘れてくれとか無責任なこと言うつもりもない。ちゃんとけじめはつける。」



「もし、俺の事を怖いと思ってなくて、嫌悪感とかもないんだったら…ゆっくりでもいいから、その…

俺を意識してみてくれませんか」

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