Part30 ページ31
ーー『とりあえず…着てください。』
目の前の浮気相手であろう女性に
床に脱ぎ捨てられていた服を渡す。
完全に情事後であるのは誰が見ても明らかだった。
浮気相手に服を差し出すなんで私はどこまでもお人好しだなと思いつつ
彼女も何も知らされていなかったのだということを察し、少し同情している面もあった。
『たつき君も着なよ。ズボンだけでも。』
そう言って私はズボンを投げ渡す。
2人は黙って服を着始めた。
兄の顔は見れない。
絶対に怒っているからだ。
彼に。そして何も言わない私に。
『何も聞いてなかったんですよね恐らく。私はたつき君の彼女で、ここで同棲しています。そこにいるのは私の兄です。今日は3人で宅飲みする予定でした。』
｢…彼女いたなんて…聞いてない…｣
どうしようと言うような顔つきで女性は狼狽える。
この人はきっと、根はいい人で
私と同じようにたつき君を好きになってしまったのだろう。
一夜だけの関係でもいいと思ったのだろうか。
問題はたつき君だ。
私の存在を隠してのこの状況。
さすがに言い逃れはできないだろう。
結婚を意識した相手だったけど
今までで1番ひどい傷をつけられたように感じた。
『たつき君。さすがに言い逃れはできないよね。別れようね。』
そう言うと彼は血相を変えて私の肩に掴みかかった。
｢ふざけんな！！！俺は別れるなんて認めねぇ！これだってこの女が勝手に無理やり…！｣
｢は？！ちょ、ちょっと待ってよ！｣
彼の言葉に反応する女性。彼が嘘を言ってるのは明らかだった。
｢俺はお前との結婚だけを考えてここまでやってきたのに…！なあ？！たった1回だぜ？お前もあるんだろどうせ？バイトとか言って！他の男の家に行ったりとか本当はあったん｣
聞くに耐えない彼の喚き声は遮られた。
私の兄のこぶしによって。
『お兄ちゃん！』
｢結婚だけ考えてるやつのすることではねぇよな？あ？お前はAの過去の恋愛を知った上で自分が幸せにするって言ったんだよな？なあ？！ふざけんのも大概にしとけ！あぁ？！！｣
『お兄ちゃん！もういい。もういいから。』
私は兄をとめ、たつき君に向き合った。
『出ていくね。そこの女性との今後については二人で話してね。私はたつき君と違って、こんなことしたこと無かったな。楽しかったよ。じゃあね。』
涙を流す彼をよそに
自分の荷物をまとめ、兄と共に思い出の部屋を出た。
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kyyyyy(プロフ) - 佳奈さん» ありがとうございます！なかなか更新出来ずにいますが、是非気長に待っていただけると嬉しいです泣 頑張って更新します！ (2019年8月17日 12時) (
レス) id: 0d836efdc2 (このIDを非表示/違反報告)
佳奈(プロフ) - めっちゃ好きです。楽しく読ませていただいています！更新頑張ってください、応援してます！ (2019年8月16日 23時) (レス) id: 126972c2b9 (このIDを非表示/違反報告)
kyyyyy(プロフ) - ポームポーム様 ありがとうございます！お昼は食べてください笑 亀更新ですが是非これからも応援よろしくお願いします！ (2019年7月8日 18時) (レス) id: 0d836efdc2 (このIDを非表示/違反報告)
ポームポーム - コメント失礼します。本当に面白いです！ついお昼食べ損ねちゃいました(笑)それぐらい面白いし、楽しく読ませて頂いてます！！更新待ってます！頑張ってください^ ^ (2019年6月15日 12時) (レス) id: 342bde7b9f (このIDを非表示/違反報告)
kyyyyy(プロフ) - loveel1216様 本当ですね！ご指摘ありがとうございます！訂正しておきます！これからもこの小説をよろしくお願いします！ (2019年6月5日 11時) (レス) id: afe7e0534c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイル | 作成日時：2019年2月25日 22時
