わたしの思いつき (ページ8)

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好きという言葉 JN ページ8

少し変わったジュンくんに恋する女の子のおはなし。

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天然で人見知りで、まっすぐな彼はきっと『恋』というものを知らないんだと思う。

ムン・ジュンフィ。

小学生の頃から家族ぐるみの付き合いで、いわゆる幼なじみの彼。

ある日の学校帰りには、

JN「Aー！一緒に帰ろ！」

わたしが熱で学校を休むと、

JN「A、なにか欲しいものある？」

気づけば一緒にいて、そんな彼を好きになるのにそう時間はかからなかった。

学校では、ひときわ目立つその容姿のおかげで彼のことを知らない人はいなくて。

これだけ仲良くしているところを見られたらいつか誰かに刺されるんじゃないかと心配だけど、彼は学校で極度の人見知りを発揮するからわたしにさえもじぶんからまったく話しかけてこない。

この性格が災いして、わたしの周りの友達から陰で『残念王子』と呼ばれていることを彼は知らないだろう。

彼の残念なところはそれだけじゃない。

JN「わー…まただ。」

そう呟いて、じぶんのロッカーの前で直立不動な彼の足元には何通もの手紙が。

「すごい量だね…

これちゃんと返事してるの？」

少し気になったから聞いてみたら、

JN「え？なんの？」

この有様。

「いや、これってラブレターでしょ？」

JN「ふふ、A何言ってるの？(笑)

これはぜんぶ友達からだもん。

そういうのじゃないよ。」

なぜか私が変なこと言ったみたいになっていて返す言葉も見つからなかった。

わたしの見解だと、彼の中で『好き』は『Like』という意味でしかないらしい。

そう、彼はとことん天然なのだ。

だからわたしは、じぶんの気持ちを伝えることを諦めた。

幼なじみで、2人きりのときには他愛のないことでも話してくれるだけで十分幸せだ。

そう思いたいのに、彼はまっすぐなくせにとんでもなく鈍感だからわたしの心を掻き乱すのがうまい。

こんなことを問いかけられたことがあった。

JN「ねえ、好きってなに？」

「うーん…

多分、この人とずっとそばにいたい、離れたくない、大切にしたいとか思うことじゃない？」

JN「そうなんだ。

いまAは好きな人いる？」

当の本人からこんなことを言われるとは。