わたしの思いつき (ページ2)

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もうこのまま気が済むまで泣こう。
そう思っていたら。

ダッダッダッ、

外から走る音が聞こえて。

スニョンがそうしているんだと気づいたとき意外にも冷静になった。

こんな姿見せられないって、玄関からは陰になる洗面所に隠れる。

玄関が開かれて、

SN「A、！！」

名前を呼ばれる。

でもスニョンごめん、答えられそうにないや。

不謹慎ながらも、息を切らして帰ってきてくれたことが嬉しくて鼻の奥がツーンと痛む。

泣いてるところを見られたくないって隠れたくせに、見つけてほしいだなんてわがままなことを考えて少し鼻をすすった。

近づいてくる影。

SN「A…」

こういうとき、何があったとか根拠のない大丈夫とかを言わないのがスニョン。

やわらかく、優しく包みこんで一定のリズムを背中にくれる。

かっこいいだろ、って自慢してたスーツなのに躊躇うことなくそうしてくれるスニョンの優しさを感じてまた涙ぐんだ。

SN「いつもお疲れさま。
きょうもよく頑張ったな。」

「ふっ、うぅ…」

さらに優しさをくれるから、ついには声まで出てしまう始末。

同い年のはずなのにこういうときはスニョンのほうがずっと大人なんだ。

「…連絡すぐできなくてごめんね。
疲れてるのに走らせちゃったし、ごめん。」

SN「なんでそんな謝るんだよ(笑)
いいんだよ、俺が今すぐAに会いたいって思って走ったんだから。」

しばらくして、やっと落ちついたと思ったらもう19時半近くになっていた。

SN「よし、腹へったから飯つくろう！」

「うん、なに食べたい？」

SN「んー、スンデ！」

つい3日前もスンデだったことをつっこめばAの作るスンデうまいんだもん、って目を細めて笑うスニョンが愛しくて。

どんなに辛いことがあっても、スニョンの優しさと愛でなにもかも忘れられる。

そんな幸せなわたしの日常。

素敵な日常 fin.