波 乱 万 丈 物 語 (King&Prince)

〇. ページ27

(今は別の道に進んだ方の名前が出ます。閲覧注意です)

岸くんと喧嘩した。


初めての喧嘩だ。


どうしても忙しくなると、疲れが溜まってご飯が喉を通らない。ご飯を食べる行為すら面倒くさいと感じてしまう。
プレゾンの時は如恵留や美勇人が叱ってくれて、拡輝としめちゃんが一緒にご飯を食べてくれていた。弟組に心配をかけないようにしていたけれど、それでも兄組4人にはもう無理だ、と泣きついたこともあった。


頼れる同期2人がいて、同い年のであり先輩の美勇人、同い年のしめちゃん。

初めての「仲間」に心を許していた。


でも今、それが出来なくなっていた


岸くんは同い年だけど、2年後輩で。こなしてきたステージも仕事も、俄然わたしの方が多い。

あとの5人は年下であり、後輩であり。

「最年長」「先輩」それがわたしを苦しめていたんだと思う。


頼りにしていないわけではない。岸くんはわたしの小さな変化にも気付いてくれるし、いざとなったら本当に頼りになるリーダーだ。
ほかの5人も、わたしのことを気にかけてくれているのは普段の行動を見てわかる。


岸くんの言いたいことはよくわかる。ご飯を食べずに体調を崩して倒れるなんてありえない。迷惑になることも分かってる。

気まずくなった楽屋に耐えられず、逃げるようにしてでてきた。


神「おいA…！」

「なに、」

神「岸くんの言いたいこと、理解してんだろ？わかってんだろ？」

「…うん、」

神「Aが少しずつウィ〇ー飲んでんのも、頑張って食事しようとしてんのもみんなわかってるから」

「うん、」

神「頼っていいんだよ、」


神宮寺に腕を引かれて、すっぽりと彼の胸に収まる。

「…ぅ〜…」

それがなんだか悔しくて、でも嬉しくて、暖かくて。

神「ちょっ、…おま！鼻水つけんなバカ！」

泣き顔のまま神宮寺の胸に顔を埋めたら、少し焦ったようなでも嬉しそうな神宮寺の声に、少しだけ頬が緩んだ。


神「岸くんに、謝りに行こ？」

「…、うん！」

〇.→←〇小さな喧嘩(2018)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す