波 乱 万 丈 物 語 (King&Prince)

〇神宮寺(2018) ページ4

神宮寺は年下なのに妙にしっかりしている。


そして年下なのに、絶対にわたしたちに甘えない



「大人」になることを急いでいるように見えて、それがいつも心配だった。


愛されおバカな岸くんと、常にふわふわしているゆるキャラ玄樹と、唯一の女のわたし。

たしかに傍から見ると、4人の中では一番神宮寺がしっかり者に見えるだろう。

というか実際、情けないことにわたしたちが4人で並んでいたら神宮寺が一番しっかりしている。間違いなく。


ある日のレッスン中、


神「ねぇA、あのさ...」


振付やフォーメーションについて丁寧にかかれているメモを持ちながらわたしの横にしゃがみ込んだ神宮寺は、いつもとどこか様子が違う。


尋常じゃない量の汗に、もしかして、と勘づいたわたしは神宮寺のおでこに手を伸ばした。


「あんた熱あるでしょ」

神「...ない、」


バツが悪そうに視線を逸らすのは神宮寺が嘘をついた時。

こういうわかり易いところは子どもだなあ、って思うんだ。


「...神宮寺、今日は休もう。わたしから先生に言っておくから」

神「いや、平気だから、」

「神宮寺」


名前を呼んで彼の手を握りしめたら、困った顔でこっちを見つめる神宮寺に、胸が締め付けられた。



「体調が悪い時は無理しないで言って？わたしたちそんなに頼りないかな」


子どもをあやすように、そう語りかけたら俯く神宮寺は、とても小さく見えたんだ。


岸「そうだぞ、ジン！なんのためのメンバーだよ！」
岩「気が付かなくてごめんね、」

「ほら、」


神「...うん、ごめん」



そこでやってきた振付師に、一連の流れを話すとキリがいいから今日は全員ここまで、と終了の合図が出された。


それからPrince全員で神宮寺を家まで送り届けて解散した。



たまに見せる子どもらしさに、なんだか少しだけ母性本能がくすぐられる。


@神宮寺

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