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お互い年末年始の忙しい時期も落ち着いてから、忠義くんがうちに帰って来ることが増えたように思う。
昨日も遅くに帰ってきて、少し疲れた様子だったけど、シャワーを浴びた後はベッドでまるで抱き枕のように私を抱きながらあっという間に眠っていた。
いくら落ち着いたとはいえ、忙しい事には変わりないんだろう。
私も忠義くんに会えるのは嬉しいけど、無理はして欲しくないな。
目が覚めた時、忠義くんはまだ夢の中だった。
その間に洗濯物でも回そうかと思って起き上がる。
いつ起きても良いように、朝ごはんの支度もしてしまおう。
気持ち良さそうに眠る忠義くんを横目に支度を始めると、うっすらと開いてしまった目と目が合った。
「…A〜」
「まだ寝てて大丈夫だよ？」
「ちゃうやん、なんでおらんの？」
「朝ごはんの支度しようかと思って」
「いらんから、来て〜」
寝惚けた声に誘われて素直にベッドに向かう。
今はいらなくてもそのうちお腹空いた〜って絶対言うと思うけど。
それはその時に適当に作れば良いかと、ベッドの側に屈んで、忠義くんの顔を覗き込んだ。
「…んふ、おはよ」
まだ半分寝ている顔で、緩い笑顔を浮かべる。
不意打ちのその顔は、心臓が止まるかと思うほどの破壊力。
１年経つのに相変わらず慣れてくれない情けない私の心臓は、止まらなかった代わりにドキドキと騒ぎ出した。
「…おはよ」
うるさく脈打つ鼓動を隠して笑顔で返すと、忠義くんが自分の隣をポンポンと優しく叩いた。
隣に来い、という事だろうか。
その動きに戸惑っていると、じっと私を見つめたまま、ポンポンポンポンと無言の催促。
隣に来いって事なんだね。
ご飯もまだいらないみたいだし、洗濯物も回したばかりだし。
「…失礼します」
素直に隣に寝転んだ。
「失礼しますってなんやねん」
ふっと小さく笑って、その大きな体に包まれる。
「まだ寝る？」
「Aも一緒に寝よ？」
「洗濯回しちゃったから」
「ほな終わるまで」
柔らかな声に誘われて、目の前でゆっくり瞼を閉じた忠義くんにつられるように瞼を閉じた。
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年5月10日 17時
