139話 ページ43
「キース....」
「何だよ。本人の記憶がもどったなら、直接聞いて確かめるべきだろ？何か問題あるのかよ？」
「.....」
「カズサは異論あるのか？」
「しいて言うなら、混乱しないかが不安かな」
「だが、聞かなきゃ何も始まらない。ディノ。お前が今ここにいるのは、【イクリプス】として捕らえられたからだ。でもその様子だと、【イクリプス】の一員としてオレ達「ヒーロー」を襲った自覚はねぇんだよな？」
「.....」
「(容赦ないわね....)」
「聞きたくなかっただろうけど、伏せたところで意味はねぇと思って....」
「....大丈夫だ。はは。俺、そんなことしてたんだな...」
「ディノ....」
「本人に自覚がねぇってことは、何かしらの方法で操られてたとかそういうことか？」
「なくもない話ね。ずっと眠ってた気分ってのが気になるけど....」
「まぁ、そこははっきりしねぇけど....どっちにしろ、ディノ自身の意思じゃなかったことは明らかになったワケだな」
「.....」
「オレ達の知るディノに戻った以上、いつまでもこんなところに拘束しておくのは気が引ける。すぐに拘束を解いて....」
「待て。本人の言うことが真実とは限らない」
「....おい、それってどういう意味だよ？ディノが嘘ついてるって言いてぇのか？」
「(始まった....ハァ)」
「決めつけるわけではない。ただ、全ての可能性を考慮するべきだと言っている」
「お前....いい加減にしろよ。いつまでそんなこと言って....」
「いいんだ、キース....なんとなく状況は把握できたし、ブラッドの言うことはもっともだと思う...」
「でも、だからってお前をいつまでもこんなところに置いておくワケには....」
「ピザ！」
「え？」
「....ん？」
「じゃあ、ピザを食べさせてほしい。俺、お腹空いちゃって....そうだ、ジェンガ・ピザってまだあるのか？まさか潰れたりしてないよな！？」
「あ、ああ、今も人気だけど....」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さや | 作成日時：2021年7月1日 0時
