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慌ただしく過ぎる12月。
生存確認という名目で、忠義くんからは時々何処かの風景の写真が送られてきたり、短いメッセージが送られてきた。
私も時々料理の写真や短いメッセージを送り返した。
時間が合えば電話もした。
ダメだってわかっていても、そんなやり取りを繰り返すうちに、自然と忠義くんに会いたい気持ちが膨らんでいく。
「Aさん、パーティしましょ」
クリスマスイブ。
営業を終えて、帰り支度をしたみかちゃんとゆみちゃんがどこからかケーキとワインを持って来てそう言った。
営業時間も延長してるし、日付はとっくに変わっている。
もうイブというより、クリスマス当日。
ちょっとだけと2人に誘われちゃったら、断れない。
「カンパーイ」
ワイングラスが小さく音を立てる。
「こんな時間にケーキとワインなんて悪い事してる気分…」
「…確かに」
「たまにはいいじゃないですか」
「2人は若いからいいけど〜」
爽やかな香りが広がるフルーティなワインとケーキの相性も良くて、悪い事してる気分なのに止まらない。
パクパク食べる私を見て、全然悪い事してるって感じじゃないって2人が笑う。
「ありがとう。美味しかったぁ」
ペロリとケーキを食べ終えて、残りのワインを飲みながら3人で他愛ない話をする。
「2人はクリスマスなのに明日もバイトで大丈夫？みかちゃん彼氏いたよね？」
みかちゃんはバイト休みの日に彼氏を連れてご飯を食べに来てくれた事がある。
確か、背の高い優しそうな男の子だった。
「それがアイツまた！浮気してたんです！」
どうやら地雷を踏んでしまったらしい。
みなちゃんは急に鼻息を荒くして、ワインを飲み干した。
「…また、って事は初めてじゃないんだ」
「もう5回目ですよ！さすがに頭に来てこないだ別れました！」
「ご、5回目？！」
しかも今回は私の友達と、ってみかちゃんがどんどんとヒートアップしていく。
隣でゆみちゃんがまぁまぁと宥めてる。
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年4月3日 21時
