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私の素直な告白にみかちゃんとゆみちゃんは顔を見合わせた。
「…Aさん、なんか不憫ですね」
みかちゃんが申し訳なさそうな顔を浮かべながらも、ちょっと笑ってる。
「不憫てやめてっ！」
私も思わず笑ってしまう。ゆみちゃんもそのやり取りに笑顔を見せた。
「わ、賑やかやなぁ」
話しに夢中になっていて全然気付かなかった。
その声に顔を上げると忠義くん。
「大倉さん、まだ開店前ですけどー？」
「ごめん、空いてたからええかなって」
「どう考えてもダメですよね？でも、まぁ…」
話しの内容が内容だっただけに、みかちゃんは私と忠義くんを交互に見比べて、ニコニコし始めた。
確か私、内緒にしてねって言ったはずなのに。
「私、外の掃除行ってきます」
ダスターをカウンターに放って、わざとらしくゆみちゃんを誘う。
5分で戻りまーす、とか言っちゃってるけど、外の掃除はさっきやっていたはずだ。
ごゆっくり、なんて忠義くんを見上げれば、忠義くんがありがとうと微笑んだ。
「何楽しそうに話してたん？」
忠義くんはいつものようにカウンターのいつもの場所に腰掛ける。
「秘密の女子トーク」
「恋バナや」
「…んー、まぁそんな感じ。2人とも若いから楽しそうだよ」
私もなるべくいつも通りに話しながら、みかちゃんが置いて行ったカウンターのダスターを片付ける。
「…ちょっと早いけど、何か飲む？」
「今日はこの後行くとかあるから、やめとくわ。その前にどうしてもAちゃんの顔見たかってん」
どうしても顔見たかったって…私は彼女でもないし、忠義くんのなんでもないのに。
そういうのちょっと嬉しくなっちゃうから止めて欲しい。
だけどそこに深い意味はない、そう言い聞かせて。
「え、冷やかし…？」
「…ちゃうわ」
冗談にして流してしまおうと思ってるのに、忠義くんが妙に真面目な顔をしている。
ざわざわと胸が騒ぎ出す。
「…なぁ、あと3分くらいしかないから、ちょっとこっち来て」
「…なんで？」
「みかちゃん時計見てそうやから、はよして」
「えー」
「えー、ちゃう。はよ」
行かなきゃいいってわかってるのに、珍しく有無を言わさないような言い方に驚いて。
仕方なく忠義くんの隣に腰掛ける。
何を言われるんだろうと落ち着かないから、せめて忠義くんの顔を見るのは止めておこう。
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年4月3日 21時
