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「…そろそろ門限の時間。帰ろっか」
「A、」
「大学生になったら門限なくしてくれるかな？」
「なぁ、A」
「さすがに大阪に行くのに8時じゃ帰って来るの大変だよね」
いつの間にか、繋いだ手は離れていた。
1人必死で喋り続ける私を呼ぶ裕の声を無視して歩き出す。
「……ごめんな」
呟いた裕の声がやけに大きく聞こえた。
さっきまであんなに楽しかったのに、気まずい帰り道。
こんな事になるならイルミネーションなんか見に行かなきゃ良かった。
そうは思っても、結局裕が大阪の大学を受ける事は変わらないし、
きっと今日その話しをしたくてわざわざイルミネーション誘ったんだって今更気付く。
気まずい空気に包まれて、いつもより足取りが重くなる。
それでも終わりの時間はやって来る。
見上げた我が家の玄関の前。
裕がいつもみたいに優しい声で私の名前を呼ぶ。
「プレゼント、渡してへんのやけど」
「あ！本当だ！」
「気付くのおそっ。いらんのかと思ったわ」
「いるよ、めっちゃいる！」
「まぁ、貧乏学生やからたいしたもんちゃうけど」
裕が鞄からガサゴソとクリスマス用にラッピングされたそれを取り出した。
「…全然たいしたもんじゃん」
開けてみると、クロスのモチーフが揺れるネックレス。
「お揃いやったりして」
「えっ？」
ふと裕の首元を見ると、
タートルネックを下げた裕の首元に色違いのそれが揺れている。
「お揃いとか恥ずかしがるのに」
「Aとならええねん」
裕はズルい。
さっきは大阪に行くって突き放しておいて、今度はそんな事言うんだもん。
「…何それ」
「そのまんまの意味やろ。ほんで？Aは何買うてくれたん？」
「私こそたいした物じゃないよ」
鞄から取り出した、プレゼント。
何がいいか散々悩んで、
裕の好きなブランドのマフラーにした。
「わ、めっちゃええやん」
裕がニコニコ笑いながら早速それを首に巻き付ける。
「俺の首周りAだらけやな」
「…本当だ」
「ありがとな。大事にするわ」
「私こそ、大事にする。ずっと付けてる」
私の言葉に裕が優しく笑って、
ギュッと私を抱き締めた。
「ほんまはもうちょっとええ感じで渡す予定やってんけど、順番間違えたわ。ごめんな」
「…ううん」
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咲菜(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます😊拙い文章でそれぞれの気持ちが伝えきず… 力不足…申し訳ないです😥新たにお話を増やす予定はありませんが、お読みいただき、キュンキュンドキドキしていただき、ありがとうごさいます☺️ (2022年6月6日 21時) (
レス) id: 27e6913478 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 黒さんの話をキュンキュン、ドキドキしながから拝見してました！もし可能なら…黒さんがカラオケ前や電車の中などで当時どういう気持ちだったのか、最後の方で出会った時の気持ちお話してますが、もう少し黒さんバージョンも読んでみたいなぁと思いました。 (2022年6月5日 19時) (レス) @page14 id: 71977cedf6 (このIDを非表示/違反報告)
咲菜(プロフ) - かぴおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😄満足して頂ける結末かはわかりませんが…引き続きお楽しみ下さい☺️ありがとうございます！マイペースに更新させていただきますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2022年3月3日 12時) (レス) id: c0c5be961e (このIDを非表示/違反報告)
かぴお(プロフ) - 黒さんのお話めちゃくちゃ楽しく拝見させていただいてます！更新が楽しみです。結末が気になるところではありますが、終わってほしくもない（ ; ; ）無理なさらずにお話書いていただけたら嬉しいです！ (2022年3月2日 21時) (レス) @page1 id: 726d4675c4 (このIDを非表示/違反報告)
咲菜(プロフ) - 瑛恋さん» 日課にして頂けるなんて😭楽しみにお待ち頂きありがとうございます🥰そして登場しました！笑 今日その予定だったのでコメント見てドキドキしました！引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです😊 (2022年2月15日 21時) (レス) id: c0c5be961e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年2月7日 21時
