初めてはキミと(黒)1 ページ11
桜舞い散る4月のその日。
真新しい制服に袖を通した私は、晴れて高校生になった。
「ちょっと、A！またそないにスカート短くして！アカンやん！」
「これが指定の長さだから！」
「はぁ？こんな短いスカート学校が許可してるん？なぁ、アキ！どういう事？」
そんな事ママに言ったって仕方ないのに。
呆れたママが溜息を吐いた。
「ん〜？でもA可愛いね？制服よく似合ってるよね？」
「まぁ、そらな…うん…俺らの子やしな…うん」
ママに言われて私の制服姿を眺めて、ヘラッと緩い笑顔を浮かべたパパ。
「…アカン！可愛ええっ！」
「パパほんとウザい！！」
そのまま飛び付いてきそうな勢いだったから、思わず声が大きくなる。
その声と言葉にピタリとパパの動きが止まってママに方向転換。
「アキ〜、Aがぁ…」
「…わかった。わかったから。そろそろ支度して？入学式遅れたらA可哀想でしょ？それとも家で待ってる？」
「…そんなんアカン！悪い虫が付かんようにせな！」
「ん、じゃあ支度しよっか？」
ママに言われて慌ててスーツに着替えるパパ。
ビシッとスーツを着こなすパパはほんとカッコいいのに。
なんて言ったらうるさいから絶対言わないけど。
パパのせいで無駄に慌ただしく感じたし、学校に着いたのは時間ギリギリだった。
「もうパパのせいだよ」
「ごめんて〜」
小走りになるパパとママの後を追う。
だけど、校門にある大きな桜の木は満開で、足を止めた。
風が吹いて、花びらが舞い上がる。
見上げると視界がピンク色に染まった。
「…綺麗」
思わず呟いた。
「…ほんまやな」
そんな私に反応する声が聞こえて、視線を向ける。
同じように制服に身を包んだ男の子が、
同じように舞い上がる花びらを見上げていた。
「裕ー！」
裕と呼ばれた男の子はチラッと私を見て微笑んでから、走って行ってしまった。
…綺麗な男の子。
まるで絵本から抜け出した王子様みたいな。
入学式、
私の脳裏に焼き付いたのは桜の花びらに包まれた
優しく微笑む男の子だった。
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咲菜(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます😊拙い文章でそれぞれの気持ちが伝えきず… 力不足…申し訳ないです😥新たにお話を増やす予定はありませんが、お読みいただき、キュンキュンドキドキしていただき、ありがとうごさいます☺️ (2022年6月6日 21時) (
レス) id: 27e6913478 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 黒さんの話をキュンキュン、ドキドキしながから拝見してました！もし可能なら…黒さんがカラオケ前や電車の中などで当時どういう気持ちだったのか、最後の方で出会った時の気持ちお話してますが、もう少し黒さんバージョンも読んでみたいなぁと思いました。 (2022年6月5日 19時) (レス) @page14 id: 71977cedf6 (このIDを非表示/違反報告)
咲菜(プロフ) - かぴおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😄満足して頂ける結末かはわかりませんが…引き続きお楽しみ下さい☺️ありがとうございます！マイペースに更新させていただきますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2022年3月3日 12時) (レス) id: c0c5be961e (このIDを非表示/違反報告)
かぴお(プロフ) - 黒さんのお話めちゃくちゃ楽しく拝見させていただいてます！更新が楽しみです。結末が気になるところではありますが、終わってほしくもない（ ; ; ）無理なさらずにお話書いていただけたら嬉しいです！ (2022年3月2日 21時) (レス) @page1 id: 726d4675c4 (このIDを非表示/違反報告)
咲菜(プロフ) - 瑛恋さん» 日課にして頂けるなんて😭楽しみにお待ち頂きありがとうございます🥰そして登場しました！笑 今日その予定だったのでコメント見てドキドキしました！引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです😊 (2022年2月15日 21時) (レス) id: c0c5be961e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲菜 | 作成日時：2022年2月7日 21時
