Important Story.3 (短編集)

F#9 ページ50

俺の彼女は子供っぽい。

...ていうか、泣き虫。









｢たくちゃん、｣

｢ん？どうした？｣









いつもだったら、会社でやらかしたとか

友達と喧嘩したとか。

たいてい俺がアドバイスしやすいものなんだけど、今回は少し違った。









｢私、たくちゃんとつり合ってるの？｣

｢...は？｣









とっさに口をついた強めな言葉にやば、なんて焦ったけど

それ以上にAが何を思っているのか、何を考えているのかが気になって









｢それ、本気で言ってる？｣








また、だいぶ強く言ってしまった。









｢だ、だって、たくちゃんかっこよくてモテモテなのに、｣
｢私は泣き虫だし、ドジだし、仕事も全然できないし、｣

｢ちょ、ちょっと待った｣

｢っ、...｣









あのままだと

自分がコンプレックスに感じていることを全部言う

と思った俺はすぐさま止めた。






もう既にAの頬には涙が伝っている。







そんなAの頬に手を当てて、涙を拭う。









｢Aは、俺のどこが好き？｣

｢どこ...｣

｢顔もタイプだし、性格も好き。私を呼ぶ声も、笑顔も、頑張り屋さんなところも好き｣









...だめだ。

自分から言わせといて、これは恥ずかしすぎる。









｢あとは、｣

｢もういいよ(笑)｣

｢え？｣

｢俺は、俺の事を好きでいてくれるAが世界一好き｣
｢だから、つり合ってるとかつり合ってないとか、考えなくていい｣

｢たくちゃん、｣









だいすき、







そう呟いたAの笑顔。
その頬は濡れていたけれど、とても綺麗だった。









(You are the best)









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





お話いっぱいになりました！








続編です！↓

Important Story.4 [短編集]









はるてっとu( ˙H˙ )r

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