西川家のツンデレ姫 vol.２

つなげる意識。 ページ28

俺は、本当にプロなんやろうか？


チームってなんやろ...







遥「つなげる意識で打ちました」









この言葉、ほんまに俺が言ったんやろうか？


でも、何度見ても自分のままで、無性に腹がってくる。









あ「はる、まだ起きてたの？」



遥「ちょっと考え事しててん。


広輝、寝たか？」



あ「もうぐっすり。


ねぇ、はる」



遥「ん？...っ」









やっぱりお見通しなんかなぁ。


Aは俺の目の前で、両手を広げた。









あ「良いよ、来て」








『ギュッ』









あ「はるは努力家だけど、それはすごく嬉しいけど


頼ってくれないと困る。奥さんだから。


頼りがい無いかもしれないけど、これでも一応、はるの奥さんだから。」




遥「ごめんな」




あ「はい、謝るの禁止。


何があったか、何で悩んでるのか


ちょっとずつでいいから、教えて？」









俺は話した。全部を。






昨日の試合で、チャンスで回ってきたのに打てなかったこと


大将に繋げられなかったこと、


自分が決めるって、それだけでいっぱいだったこと。


そのくせ、タイムリーが出たら「つなげる意識で打ちました」とか言う事。















遥「つなげる意識なんか、無かったのに


そんな事言ってて、ほんまに、俺って嘘つきやわ」




あ「じゃあさ、はる、私に嘘ついたことある？」




遥「ないはずやけど...」




あ「そうだよ。はるが、


好きとか愛してるって言ってくれるの、絶対嘘なんかじゃない。


その気持ちが欠片も無い人が、冗談でもそんな事言えないよ」




遥「確かにそうやな...


俺は、心のどっかでつなげる意識を持っとったのかもしれんな」




あ「だからはるは、チーム想いなんだよ


心のどこかで思ってたら、それは嘘じゃないよ」




遥「そうやな、ありがとう。


よし、寝るか！」




あ「うん！！」







いつも、頼ってばっかやな。


おかげで解決して、打ち込める。








ありがとうで溢れてるなぁ。









(今日のヒーローは、西川遥輝選手です！)

(ありがとうございます！)

(決勝タイムリー、どういう気持ちで打ちましたか？)

(翔さんにつなげる意識で、打ちました！！！)

(では最後にファンの皆さんに一言お願いします！)

(はい、えー明日も絶対勝つので、応援お願いします！)

(以上、西川遥輝選手でした！)

もちろん全部。→←＊

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