Important Story.4 (短編集)

E#25(ﾘｸ) ページ5

＿ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ






4限終了の鐘が鳴る。

あ、くる

そう思って教室前方の扉を見やると...









「かーーーずーーーーきーーーー！！！！！」









案の定教室に飛び込んできた彼女。

ニタニタしながら俺を見る友達に苦笑いを返す。









「お昼行こ！！和基！！！」

「わかったわかった」









俺の手をぶんぶん振り回す。

いつもの事に少々呆れながらも、子供っぽく笑う彼女が可愛い、とか思う。







「あ、空いてる！良かったぁ！」









中庭のベンチ

大きな木の下にあるAと俺のお気に入りの場所。


昨日は3年生のお姉様方が既に居て、Aがめっちゃ悲しんでたけど、今日は誰よりも早いらしい。









.









「ふふっ、もーーらいっ！！」

「あっ！ちょ！！！！」

「んー！やっぱり和基ママの卵焼きは美味しいね！」









美味しそうに頬張る姿に、怒る気にもなれない(笑)









「あー美味しかった！」

「ごちそうさまでした、だろうが」

「和基お母さんみたい！！！(笑)」









お腹を抱えて笑うA。

今はこんなにテンション高いけど、午後一の授業は寝るんやろうなコイツ。









「和基、眠い」

「我慢してよ」

「えぇ、」

「あ、じゃあさ寝なかったら、」

「ん？」









「寝なかったら、なんでも好きなことしてあげる」

「それって、」

「ひとつだけ願いかなえてあげる」

「なにそれ素敵！！！！！和基！大好き！！！！」

「うわっ、！！！」









勢いよく抱きつかれてびっくりしたけど、なんとか持ちこたえられた。









結局寝なかったみたいで、褒めて褒めてと駆け寄ってきた。









ほんと、可愛い。









(君のお願いは、)

F#15(ﾘｸ)→←De#21(ﾘｸ)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す