【SERVAMP】末っ子は椿だと思ってた？-2-【男主】

だい69わ 感情に呑まれる ページ29

《レオンside》

そのままの勢いで梓の元に戻った

梓｢無茶するんやない！アンタ、自分の実力｣

レ｢わかっている。だから1人ではいかなかったろ。それに、アイツは“偽物”だ｣

その答えにポカンとするが黒い煙となって消えた8番目の姿

そしてそのすぐ後に現れた雨で濡れた8番目に納得した

梓｢でも、なんで｣

レ｢1番目の殺気に対してあまりにも無反応だった。雑魚ならともかく真祖レベルがありえない｣

梓｢…言われてみればそうか。でも、もう｣

レ｢ああ、無茶はしない｣

ギュッとさらに強くタグを握る

これは、これだけは壊させてなるものか

あんな意味の分からぬ戯れ言のせいであのバカが倒されるだの

俺様が納得するわけないだろう

真｢椿。お前は何をしようとしてるんだ？｣

…相変わらず単純な奴だ

ソイツに向かって8番目は嘲笑いそして、答えた

椿｢先生の期待に応えたい…先生は僕に“後片付け”を期待している。ちらかったままのこの世界を｣

先生？

この言い方、先生は8番目よりも立場が上？

いや、というよりは8番目が大事に思ってる？

なら、可能性としてあがるのは…



ふと8番目の右腕から赤が落ちるのが見えた

ぼたりと落ち、はらはらと舞う“椿の花”

椿｢僕は手段 僕は方法｣

赤になり落ち、舞ったのは袖の部分

椿｢絆だの信頼だの憂鬱(ぼく)の前ではすべてが無意味｣

赤くなった腕に、椿の花が連なって出来た刀が握られる

そして、その瞳に映るは───っ！！





｢──っ！｣





過去最高記録か

こんなに速く動けたなど、己でも驚きだ

ああ、そんな顔するんじゃない

ただでさえ、バカみたいな顔なんだ

ああ、すまない

俺様はまた、貴様を





────ブラトを泣かせたか





その思考を最後に

意識は、暗闇に落ちた



◇◆◇◆◇



《ロウレスside》

そんな場合じゃない

そんなことわかってる

けどオレは、今は床にへたり込むことしかできなかった

嘘…スよね…？

椿｢何この少ない“灰塵”？というか、彼も吸血鬼だったんだね。なら、君もそうなのかな？ねぇ、庇われた金髪君｣

梓｢っ、クソが！｣

そう、灰塵が出た

レイが消えて(・・・)灰塵が出た

レイが、オレの

オレの前で、金髪を突き飛ばして

椿の刀で、斬られた

斬られた…

今度こそ、死……



『さよならだ、ブラト』



あ、ああ、あああああ！！



『連絡先くらいは教えてやろう』



オレは今、この瞬間

“絶望”という感情に呑み込まれた

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