【SERVAMP】末っ子は椿だと思ってた？-2-【男主】

だい56わ 別れ ページ16

《ロウレスside》

さよならって、なんスか、それ

そんなの

ロ｢な、なんでなんスか！？人間が無理ならハリネズミで一緒に｣

レ｢却下だ。アイツらは己の欲のことしか考えない。万が一お前の正体でもバレたら厄介だ｣

ロ｢…っ、じゃあ俺と逃げよう！？人間1人くらいなら俺余裕でっ｣

レ｢行けない。人質がいる。さすが腐っても親父だ。どうやったら素直に命令に従うか、把握してやがる｣

ロ｢そんな…｣

なんで、なんで急に

アンタ、あんな暗い顔してたじゃんか

行きたくないんだろ？

俺といたい、とか

そう思っちゃったりしてたんじゃないの？

俺は、例えどんな扱いになろうとも、アンタの

レイの傍にいたいのに

レ｢…やはり、契約しないでよかった。契約したら離れられないのだろう？｣

ロ｢…んで｣

レ｢……すまないな。だが、そうだな。お前には感謝している｣

ロ｢…ぇ？｣

レ｢この5年間、楽しく過ごせたのはお前が居てくれたからだ。ただ機械のように生きていたのに、お前が変えてくれた。感謝している。それはこれからもだ｣

…反則っスよぉ

アンタ、礼なんかめったに言わないくせに

こんな、こんな時だけ、やたら素直に

レ｢おい、泣くな｣

ロ｢泣いてない！！これは吸血鬼のなんかアレ的なもんスから｣

レ｢なんだそれは…｣

見栄張ってギャーギャー言ってたらレイが俺を抱きしめた

ゆっくりと俺も抱きしめ返す

ロ｢…好きっスよ。レイ｣

レ｢それはどーも｣

……やっぱ気づいてない

この鈍ちんが

レ｢お前はこの国を出て、可愛い女でも捕まえて契約して、楽しんでこい。こんな貧乏くせぇ生活なんか忘れてしまえ｣

ロ｢……レイは、俺にそーしてほしい？｣

レ｢…そうだな。お前がアホらしく笑って過ごせるならなんでもいい｣

ロ｢…なんスか、それ…っ、うっ…っ、｣

ぽろぽろ、ぼろぼろと水を目から流し続けた





そして3日後、俺の前からレイは姿を消した





＊＊＊



俺はレイの願いのため、この国を出て、またフラフラとし始めた

レイの願い

“この国を出る”

“可愛い女の子と契約する”

“楽しむ”

“貧乏じゃない生活”

とりあえず、国は出た

あと、3つ

フラフラとほとんど何も考えないまま進む

レイ、アンタって人は本当に厄介だ

ここまで俺の中をたった5年で占め尽くすなんて

これは時が経てば癒えるのだろうか

忘れていくのだろうか

…いや、きっと無い

あーもう、どうしてくれるんスか

責任とってくれよ、レイ

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